No. 63 王子と騎士
「よお、遅かったな」
部屋に入ると、青い髪の男性が手を挙げて笑いかけてきた。
ただし、王様ではない。
王様は、そんな男性を見て呆れた顔をしている。
ちなみに、男性とは知り合いである。
「クレイ!何でお前が?」
クレイ・アルファ・ギシリヤ。
名前から大体わかるだろうが、ティアの実の兄である。
そして、この国の次期国王でもあるのだが、初対面で、
「将来的に義弟になるかもしれんしな、お前は敬語を使うな。ついでに呼び捨てにしろ。友達感覚で接してくれよ」
と、言われたので、友達感覚で接している。
それでいいのか、と思うが、王様からOK貰ったので、そうすることにした。
まあ、こいつの場合、言動が王族らしくないし、歳も近いほうなので、気が楽だが。
••••••よく考えてみたら、ティアもだよな?
この国は大丈夫なのだろうか?
「愚問だな。そんなもの、俺もダンジョン攻略に参加するからに決まっているだろう」
「••••••ハァ!?」
驚きに声を上げてしまった。
サッと王様の顔を見ても、特別反応していない。
「イヤイヤ••••••え、マジで?」
「マジ、だ。よろしく頼むぜ、シュウヤくんよぉ」
不良みたいな口調をやめろ。
「済まんな。まあ、実力は問題無いし、連れて行ってやれ」
「••••••一応、王族ですよね?実力以外の面で問題無いんですか?」
「オイオイ、それを言ったらティアとかどうなんだよ?」
「••••••」
そういえばそうだったな。
うん、反論出来ない。
「そんなことより、残りの一人はどうした?」
オレの後ろから、リオンが問いかける。
ちなみに、真冬は眠そうに、アインスは空気を読んで静かにしていた。
真冬••••••。
まあ、なんかやらかされるよりはマシか。
とか、考えていたら、通路のほうからこの部屋に近づいてくる音がした。
「お、噂をすればなんとやら。どうやら来たようだぜ」
その言葉と同時に扉が開かれる。
「すみません、遅れました!」
入って来たのは、黒髪の女性。
格好からして、間違い無く騎士だろう。
見た感じクレイと同じくらいの年齢だろうが••••••こう、苦労人オーラがプンプンする。
中間管理職にでもついているのだろうか?
日本にいた時の知り合いの課長と、纏っている雰囲気がよく似ている。
••••••ちょっと可哀想な例えだな。
「これで全員揃ったな」
王様が口を開く。
「まずは名乗れ。初対面の者もいるだろうし、お互いに名乗るといい。話はそれからだ」
・おまけ
ファーストコンタクト
それは半月前くらいのことーー
ティア「••••••兄様。何故ここに」
クレイ「いや、なに。可愛い妹と、妹が選んだ男を見に来ただけだ••••••で、こいつが?」
ティア「••••••そう、ボクの婚約者」
秋矢「だから婚約はしてねぇだろ!」
クレイ「ハハッ、仕事中みたいだし、後で話そうぜ。後ろで怖いメイドさんが見てるぜ?」
秋矢「これってオレが悪いのか!?あ、マシュさんちょっと待って」
マシュ「言い訳は仕事への取り組みで示してください」
秋矢「••••••ハイ」




