No. 54 確信
「しかし、ちょっと目を離したらまた女の子が増えているとはな」
呆れたような顔のリオン。
「まあ、真冬と鎌だし、特に問題は無いが」
リオンの真冬を見る目は優しい。
そして懐かしさが宿っていた。
「••••••真冬はお前のことを知っているのか?」
「さてな。私にもわからん。君と同じ状況なのか、そうで無いのかもな」
「やっぱり、覚えているかは別として、真冬とは面識があるんだな」
「当然だ。君同様、私にとっては大切な人間だよ。大切の部類は違うがね」
リオンはそう口にする。
••••••こいつはストレートにこっちが照れるようなことを口にするよな。
悪くは無いがな。
「やっぱりソックリだよね」
リオンと真冬を交互に見ながら、スピカが言う。
まあ、スピカの言っていることはわかる。
リオンと真冬はよく似ている。
違うところは、サイズだろうか。
特に胸がーー
「てい!」
「痛いッ!?」
真冬の空手チョップが降って来た。
頭が割れるかと思ったぞ!
今の真冬の腕力はおそらく化け物クラスだから手加減してくれないと冗談抜きで死ぬ。
「お兄ちゃんが変なことを考えるからだよ!」
確かにそれはオレが悪いか。
考えるくらいはいいと思うがな!
もう一度殴られる覚悟で言ってみるが、リオンと真冬の違いは、まず目の色。
リオンは紅と金のオッドアイ。
真冬は碧い目をしている。
そして、体型。
身長は大体同じくらいだが、真冬の方が細っそりしている。
ただし、胸は絶壁。
リオンとは比べものにならない。
有るか無いかで言ったら、どう見ても無い。
「OKお兄ちゃん。表に出ようか」
「ここはすでに表だ」
身体を解し始めた真冬をなんとか抑え込む。
てか、いつの間にティアとの喧嘩は終わったんだよ。
真冬は、悔しそうな顔をする。
「••••••口では勝てなかったよ」
チラリとティアを見ると、ドヤ顔でピースしていた。
「••••••ぶい」
••••••何も聞かんぞ。
こういうことに、下手に首を突っ込むと地雷を踏むことになるからな。
「そこはわかっているのに、何でよく地雷を踏むのかしら?」
アダマスさん、それは言わないで。
そして、再び真冬の方を見てみると、リオンと向かいあっていた。
「「••••••」」
二人とも、何も言わない。
「••••••」
周りのオレ達は、静かに見守る。
先に口を開いたのは、真冬だった。
「••••••えっと、何処かで会ったことってあるかな?」
額を抑えて、リオンに問う真冬。
やっぱり、真冬も覚えていないか。
「ああ、会ったことはあるさ。だが、覚えていないのも無理は無い。秋矢と同じように、ゆっくりと思い出すといいさ」
特に表情を変えずに、優しい口調で言うリオン。
「••••••うん、そうするよ」
不思議そうな真冬。
思い出せるかは別として。
この二人なら、上手くやれるだろうと、オレには確信に近いものがあった。




