No. 52 青と白は相性悪い
「••••••ハァ」
オレは、深く、深くため息をつく。
「何でそんなにガッカリしてるのよ」
「何でって••••••ダンジョンにエレベーターは無い」
「え?だって便利じゃない、アレ」
「••••••もういいです」
確かに便利だけども!
そこは魔術的なものにしとけよ!
「••••••シュウヤ、説明して」
そんなオレとアダマスのやり取りを無表情に見ていたティアが、淡々とした口調で聞いてくる。
「••••••ダンジョンで何があったの?その手の紋章は?あの鎌は何?その二人は誰?」
••••••怖い。
なんか目が据わってますよ、この王女様。
特に最後の質問の時の目が••••••。
これ以上機嫌を損ねるのはマズイ。
そう判断して、オレはダンジョンで起こったことを一から丁寧に説明した。
「ーーまあ、こんなところだ」
というわけで、説明した。
真冬のことも話したわけだが、その結果、間接的にオレの本当の素性なんかも話したのだが••••••そっちについては反応がかなり薄かった。
曰く、
「••••••知ってた」
らしい。
泣きそうだ。
スピカが驚いてくれたのが救いだった。
そして今に至るのだが••••••この二人は••••••。
「お兄ちゃんはあげないから」
「••••••貴女の意思は関係無い」
「関係有るよ!妹だもん!」
「••••••それなら将来的にボクの義妹になる」
「絶対に!絶対に認めないから!」
オレはため息を一つ。
真冬を妹だと説明したことでティアは落ち着いたのだが、逆に真冬は爆発した。
まあ、オレが言うのも何だが、真冬はブラコンだからな。
いきなり、自称婚約者が現れて納得しろというのも無理か。
「てか、ティアは白髪の奴と相性が悪いのか••••••」
真冬はリオンと同じ色の髪をしているし。
「関係無いんじゃないかな」
スピカは苦笑している。
「シュウヤが異世界から来たなんて驚いたよ」
「ああ、隠して悪かったな」
「いいよ、記憶喪失も全部嘘なわけじゃないんでしょ?」
「ああ、リオンに関する記憶限定だけどな」
「何かあったら相談に乗るからね」
「おう、その時は頼むわ」
スピカと和やかに会話する。
オレ達も図太いよな。
いや、これも慣れというやつか。
「楽しそうなところ悪いけど、ちょっといいかしら」
「ん?どうかしたのか?」
オレの質問に、アダマスは一冊の本を差し出してきた。
「渡し忘れてたわ」
「何だ、これ?」
鎖に絡まれた分厚い本。
意味がわからない。
「私にもよくわからないわ。ただ、前の契約者が、渡しとけって言ってたわ」
どういうことだろうか?
てか、鎖が邪魔で開かないんだけど。
本の意味が無いじゃないか。
「どうやって開けるんだ?」
「さあ?あいつは時期が来れば勝手に開くって言ってたわよ」
マジでなんなんだよ。
「お前の前の契約者って誰だ?」
「オスカよ。オスカ・アルファ・ギシリヤ」
••••••。
すごく••••••聞いたことのある名前です••••••。
「お前かァァァァァァァァァァァ!!!」
オレは、ギシリヤの首都、アイギス方面に叫んだ。




