No. 51 ファンタジーぶち壊し
「••••••遅いよ、秋矢」
「悪い」
「••••••スピカなんて眠ちゃってるし」
それはオレのせいじゃない。
てか、スピカはよく牢屋の中で寝れるな。
相変わらず変なお嬢様だ。
「••••••」
••••••隣の妹から謎のプレッシャーを感じるが、無視しよう。
「アダマス、鍵は?」
「無いわよそんなもの」
「••••••は?」
牢屋なのに鍵が無い?
出す気あんのか!
「あるわよ。ほら」
そう言ってアダマスが鎌にチェンジする。
••••••これで鉄格子をぶった切れと?
『そうよ』
脳金か!
牢屋くらい平和的に開けろ!
いや、牢屋ってそもそも平和的じゃないか••••••。
でも、鍵くらいつけようぜ?
『牢屋を創ったのは私じゃなくてアステリオスよ。私じゃなくて』
やかましいわ!
お前もアステリオスも同類だ!
『一緒にしないで欲しーー』
面倒なので、セリフの途中でアダマスを振って鉄格子をぶった切る。
アダマスがオレの頭に送った情報のおかげで、鎌の扱いは簡単である。
「フハハハハ、見ろ!鉄格子がゴミのようだ!」
何かテンションが上がったので、そのまま鉄格子を文字通りの鉄屑にする。
楽しいィィィィ!!
『落ち着きなさい』
アダマスの冷めた口調が痛いぜ••••••。
「••••••スピカ、起きなさい」
オレが鉄格子をぶった切るの見て、ティアがスピカを起こす。
軽めのビンタとかして、スピカはやっと起きた。
「うぅ••••••どうかしたの?」
「••••••シュウヤが来た」
「ん〜」
眠そうな目で、キョロキョロ辺りを見渡すスピカ。
「あーシュウヤ、遅かったね。••••••あれ、何でリオンがいるのかな?」
「お前、眠そうだな」
「そして、私はリオンじゃなかったりする」
「••••••え?」
ティアが真冬の言葉に驚く。
「••••••リオンじゃないなら、誰?」
「その辺の説明はまた後でな」
サッサとここから出たいんで。
それはここを出てから話そうじゃないか。
「アダマス、出口は何処だ?」
人間にチェンジしたアダマスに聞く。
しかし、さっきから鎌になったり人間になったり••••••。
忙しい奴だな。
「コッチよ。ついて来なさい」
オレ達は、アダマスの後に続く。
ティアからの説明しろ、という視線が凄いことになっているが、軽くスルーだ。
••••••後が怖いな。
「ここよ。これに乗ればすぐに外に出れるわ」
「意外と近い場所にあーー」
るんだな、と続けようとした口が止まる。
オレ達の目の前には。
デパートとか高層ビルで見かけるアレ。
エレベーターがあった。
「何でだァァァァァァァ!!!」
誰だこれ創った奴は!
ダンジョンに何設置してやがるんだ!
こう、移動用の魔法陣とかにしとけよ!
最後の最後で、ファンタジーをぶち壊されたオレだった。
最初からファンタジー要素薄い、は禁句です!




