No. 44 鎌の少女
「••••••広い部屋に出たな」
しばらく、真冬無双が続いた後、オレ達はやたらと広い部屋に出ていた。
ここが奥だろうか?
「ダンジョンでこういう部屋って、大体ボス部屋だよね」
真冬、それは言うな。
フラグになったらどうする。
オレは、部屋の中を見渡すが、部屋には、中心にある巨大なミノタウロスの銅像以外に何も無い。
「あの銅像、動いたりしないだろうな••••••」
何と無くありそうだけど••••••無いことを祈ろう。
しかし、他に何かないのか?
ここまで一方通行だったし、この部屋が奥で無くても、扉とかがあってもいいだろう。
なんて考えていると。
『やっと来たわね』
唐突に声が聞こえてきた。
この声は••••••。
「••••••誰だっけ?」
『忘れてんじゃないわよ!』
冗談だ、冗談。
アレだろ?
入り口で一方的に話しかけてきた奴だろ?
『••••••あってるけど、言い方に悪意を感じるわね』
だって本当のことだし。
「ねぇ、お兄ちゃん。誰なのこの人?」
「さあ?不審者だろ」
『適当なことを吹き込むな!』
そんなこと言われても、お前が答え無かったんじゃないか。
『うっ、そ、それはそうなんだけど••••••」
正論を言われて口ごもる誰かさん。
ふっふっふっ、オレの勝ちだ!
「それで、奥まで来ただろ。早よ、このダンジョンから出せや。てか、ティアとスピカは何処だ?」
『あの二人のところには後で案内してあげるわ。それより、まずは••••••』
誰かが、そう言うと同時にミノタウロスの銅像の頭上の空間が歪む。
なんだ、ボス登場か!?と警戒するが••••••。
「••••••ふぅ、久しぶりにこの姿になったわね」
そこから現れたのは、一人の女の子だった。
紅い髪と目、歳は中学生くらいかな?
いや、それより幼く見えるな。
そして何より美少女であるが、そんなことより重要なのは格好だ。
死神が着るような感じのダボダボのローブに身を包んでいる。
そして、その手には、馬鹿デカイ鎌が握られている。
「お兄ちゃん、あの娘、凄い格好だね」
「ああ、年齢的にあの病気が発病してるんだろうな」
「厨二病だね」
「そうだ。可哀想に、後で死にたくなることもあるだろう。でも、それを乗り越えて人はまた強くなるんだろうな」
「お兄ちゃんもそうだったもんね」
「オレはあそこまで酷くは無かっただろ。オレは口だけだ。あんなに重症じゃない」
「って、勝手に人を病人扱いしてんじゃないわよ!」
オレ達が可哀想な人を見る目を向けていると、厨二患者(仮)が爆発した。
「その変な名前はやめなさい!」
オレの心を読む人が多すぎると思うんだ。
プライバシーは何処に消えた。
「で、キミの名前は?」
オレは優しく名前を聞く。
例えどんなに痛い名前を名乗っても、受け止めてやろうと思いながら。
「アダマスよ。てか、いい加減にしないと去勢するわよ!」
「何故いきなり去勢!?」
オレは内股気味になりながら後ずさる。
この娘、怖い。
冗談でも冗談じゃなくても怖い。
「••••••アダマス?」
オレが恐怖に慄いている間に、真冬が少女の名前に反応する。
「••••••アダマス••••••鎌••••••ついでに去勢••••••もしかして」
真冬が何かに気付いたようにアダマスを見る。
「中々鋭いじゃない」
アダマスは真冬の反応に気を良くしたようだ。
「改めて名乗るわ。私はアダマス。”万物を切り裂く”機能を持った鎌そのものよ」
・おまけ
駆除(by. リオン)
リオン「フッ!」
群がるワイバーンを薙ぎ払う。
いくら捜しても秋矢達は見つからなかったので、暇つぶしと八つ当たり気味にワイバーンの駆除に乗り出した。
リオン「それにしても多いな」
いったい、何匹潰したことか。
いい加減飽きてきたな。
新たな魔導書を手に、私はそう思った。
そして(by. 秋矢)
うわようι゛こわい。




