No. 37 ダンジョン
「チクショウ!••••••痛い!」
落下中に悪態をついて思いっきり舌を噛んだ。
いや、でもどうしよう。
このまま墜落したら、か弱い人間なオレは潰れたトマトになってしまうよ!
「そうだ、こんな時こそ召喚術だ!」
強化召喚で飛べる奴を呼び出せば••••••と、思ったが、成功するかどうかわからない召喚術をここで使うのはマズイ。
人生にはコンティニューなんて無いのだ!
というわけで武装召喚を使う。
でも、何を呼ぼうか?
なんて考えていたら地面が見えてきた。
早く詠唱しないと死ぬ!
あー、もうどうにでもなれ!
「『異界の以下略!来い!』」
咄嗟にイメージしたのは、攻撃判定付きの馬鹿でかい盾。
そんなイメージ通りに、オレの目の前に魔法陣が現れ、そこから盾が出て来た。
オレは盾を持って地面と衝突する。
「ーーー」
即死することは無かったが、衝突時の衝撃で、オレは気を失った。
『いつまで寝てんのよ!』
「ーーえっ!?何!?」
唐突に、頭の中で誰かの声が鳴り響く。
『全く、この程度で気絶するなんて、幾ら何でも、情けないんじゃないのかしら』
イヤイヤ、誰かは知らんが、普通の人間なら今ので死にますから。
「で?誰?」
オレは誰かさんに問いかける。
『さて、誰だと思う?』
しかし、マトモな答えは返ってこなかった。
『私が誰だか知りたいなら、このダンジョンの奥まで来なさい』
ダンジョン?
何のことやら?
そう思って辺りを見回して見ると、確かにダンジョンみたいなところだった。
「いつの間に••••••」
『いや、落ちた時からだから』
今気づいたことに、呆れたような声になった。
『それじゃ、試練を始めるわよ』
試練?
いきなり何だ。
『何の試練かは言えないわ。ただ、あんたには試練を受ける資格が有った。ま、詳しいことは奥まで来ればわかるわよ』
面倒くさそうだな。
その試練とやらを無視して脱出しようか。
『一応、言っておくけど、奥まで着かないと、ここから脱出することは出来ないわよ』
「ハァ!?」
何だそれ!?
オレの計画は!?
『急がないと日が暮れるわよ。それと、奥であんたの仲間が待っているわ』
「え?ちょっとーー」
詳しく聞こうとしたところで、唐突に切られた。
電話を一方的に切られたような感覚だ。
「••••••はぁ」
オレは立ち上がり、辺りを見渡す。
奥まで着かないと脱出出来ないのなら、仕方ないから進むとしよう。
とりあえず、進めそうな道は一つしか見つけられなかった。
「仕方ない••••••」
行きますか、と。
ため息をつきながら、オレは歩き出した。
・おまけ
in牢屋(by. ティア)
スピカ「ティア、起きてよ」
ティア「••••••う、何」
身体を揺さぶられ目覚める。
目の前には心配そうなスピカの顔があった。
ティア「••••••ここは?」
辺りを見渡すと、そこは牢屋のようだった。
スピカ「わからない。わたしも目が覚めたばかりだし••••••」
ティア「••••••シュウヤは?」
スピカは無言で首を振る。
スピカにもわからないらしい。
確か、シュウヤはボク達と落ちたはず。
落下中に離れ離れになって、ボクはスピカに助けて貰ったけど。
ボクは、シュウヤが無事であることを祈った。
そして(by. 秋矢)
リアルでダンジョン踏破••••••。
鬱だわー。




