No. 35 爆殺
「ここがヴノ山脈か••••••」
大きな山脈を見つめ、つぶやく。
正直、これ選択ミスったんじゃね?と思っている。
貧弱ゥな元ゲーマーに山登りはキツイんじゃないかなって。
「••••••目的地までに生きていられるか」
どうやら、オレ同様貧弱らしいティア王女様も不安そうにしている。
ちなみに、目的地、スローイングオウルが大量発生したのは山の中腹にある。
「二人とも、登る前からそんな不安そうにしないの!」
一人こんな山程度、問題無さそうなストロングなお嬢様がオレ達を叱咤する。
「スピカ、もしかしたら魔物と戦う前に戦闘不能になるかもしれないが、骨は拾っておいてくれると助かる」
「••••••以下、同文」
「二人して馬鹿なこと言わないの!途中で休憩は挟むから早く登っちゃおう!」
そう言われ、オレ達はスピカについて山登りを開始したのだった。
「やっと着いた」
山の中腹にて。
何回もの休憩を挟みながらも、なんとか辿り着くことに成功した。
「清々しい気分だ。もう帰ってもいいんじゃないかな?」
「いや、それじゃわたし達何しに来たのさ」
「••••••山登り?」
「魔物退治だよ!」
ボケ担当のオレとティアに、スピカが律義に突っ込んでくれる。
「わかってる。ただの冗談だよ」
オレはそう言って、目を前に向ける。
そこには、地面に寝そべってる一メートルほどの大きさのフクロウが大量に集まっていた。
「あれがスローイングオウルでいいんだよな?」
「うん、間違いないよ」
「••••••やることなくて地面に寝そべる鳥獣の魔物はあれしかいない」
どんな判別の仕方だ。
あいつらは休日のお父さんか!
「見たとこ、大体50匹くらいか?」
「多分、それで間違って無いよ」
うーん、なんとかなる••••••のか?
とりあえず、ドデカイ一撃をかまして反応を見るか?
オレの意見に二人が頷いた。
「••••••スローイングオウルのHPはそこまで高く無いから、広範囲に攻撃した方がいい」
「なるほど••••••」
前にマッドドックに機関銃を乱射したが、どうすっかな?
うーん、よし!
「『異界の以下略!来い!』」
••••••これがオレ流の新たな詠唱である。
詠唱時間と羞恥心を削った詠唱により、オレはよりスムーズに召喚術を行なえるようになったのだ!
••••••どうやっても『異界の』の部分は削れ無かったが。
「••••••何それ?」
ティアがオレの手の上に現れたものを見て、首を傾げる。
オレの手元に現れたのは、簡単に言えば手榴弾である。
••••••前回もそうだが、オレがやるとファンタジー要素が薄くなるなー。
今オレが着てる服も学ランだし。
「それで倒せるの?武装召喚で呼べたから武器として使えるものなんだろうけど」
まあ、知らない人からしたらそういう反応だろうね。
オレも爆弾というものを知らなかった時代はそう思った。
「オレが投げたらすぐに避難するぞ」
オレは近くの岩盤を指差して言う。
二人が頷いてくれたところで••••••GO!
ピンを抜いて••••••投げる!
「避難だ!」
オレ達が岩盤の裏側に隠れたところで爆発音。
そして、鳥の悲鳴が響き渡った。
しばらくして顔を出すと、数匹を除いてほぼ全滅していた。
「ーーよし、畳み掛けるぞ!」
「オー!」
「••••••おー」
オレ達は詠唱を口にしながら、スローイングオウルに突撃した。
・おまけ
初めてのお使い(by. マシュ)
わたくしは、ユグニ様に頼まれて調味料を買いに来たアインス様についてきました。
そこでは、新たな事実を発見することに成功しました。
マシュ「アインス様は街の方々にも人気ですね」
アインス「そんな、こと、無い、ですよ、みなさん、が、優しい、だけ、です、から」
いえ、幾ら何でも親戚で肉や野菜を大量に貰えるとは思いませんが。
まあ、いいです。
マシュ「荷物が増えて大変ですがね」
わたくしは、食材に埋れ掛かっているアインス様を見てつぶやきました。
そして(by. リオン)
アインスのお使いはこれが初では無い。
勘違いするな。




