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No. 31 こいつはウゼェ!

「••••••着いた」



執事の仕事が一通り終わった後、ティアの案内で王様に言われた勇者召喚の魔法陣の調整に向かった。

それがどんな場所にあるのかと思えば••••••王城の地下にあった。

やたらと広い部屋だが、内装が、何の儀式をするつもりだ?と聞きたくなるような風景と化している。

ちなみに、この部屋のことは一部の人間しか知らないらしい。

理由としては、勇者召喚の魔法陣を悪用しないようにするためだろうな。



「いい趣味してるな。この部屋を造った人間は」



勝ってについてきたリオンが、皮肉たっぷりにつぶやく。

こいつはこの部屋に入ってよかったのかと思ったが、なんとティアが許可した。

理由としては、どうせ着いてくるからこの方が手間がかからない、からだそうだ。

どうやら、リオンの性格を把握出来たようだ。

••••••ここに着くまでの言い争いがアレだったことは、あえて何も言わないことにする。

しばらく部屋の中を見渡していると、奥から怪しい奴が出てきた。

••••••他に言いようが無い。

何処ぞのSF映画に出てきそうなダースなんとかさんみたいな格好してるんだもん。



「よォォォォォォォォこォそォいらっしゃいまァしたァ!!しょォうかァんの間ァへ!!」



呼吸音をたてながら異常なハイテンションで歓迎の言葉。

声高いな••••••。

••••••。



「おい、不審者がいるぞ?」



「••••••残念な、非常に残念なことに不審者じゃない」



「そォのとォりでァりまァす!!わァたァくしはァ、こォのォ間ァのォかァんりにんでごォざァいまァす!!」



「ひとまず黙れ」



リオンが何かの(知らない文字で書かれた)本を不審者改め自称管理人に向ける。



「ーーー」



呼吸音だけ聞こえるようになった。

おそらくは、相手を喋れなくするような魔導書を使ったのだろう。

ナイスとしか言いようが無い。



「で?なんなんだこいつは。喋り方がウザすぎて頭が痛くなって来たぞ」



「••••••初代様が創った精霊。能力は優秀。能力は」



能力は、を強調するティア。

まあ、この性格は間違い無く失敗だよな。

••••••失敗、だよな?

あえてこんな性格にしたとかだったら、初代国王の性格は歪んでるとしか言いようが無い。



「本当にいい趣味しているな」



この部屋に入った時と同じセリフを今度は本心でつぶやく。



「••••••まあ、こんなのはどうでもいい」



さっきから毒舌なティア。

こいつのことが嫌いなんだろうな。

まあ、仕方ない。

差別はダメだが、こいつは整理的に無理だ。



「••••••早く終わらせてこんなとこから早く出る」



ティアはスタスタと魔法陣の近くに行く。

オレとリオンも着いて行く。



「それで、どうやればいいんだ?」



ティアに聞く。

今まではティアがやっていたそうなので、詳しいだろうと思ったのだが••••••。



「••••••」



「ティア?」



トントン。

肩を叩かれる。

振り向くとそこには不審者が看板を指差していた。



「なんだ••••••『このお方はこれまで全て勘でやってきたのでやり方は知らないはずだ』」



「ーーー」



首を縦に振る。

こいつ、字は綺麗だな。



「ーーー」



スッと冊子のようなものを差し出してきたので受けてる。



「『馬鹿(笑)でもわかる!強化召喚マニュアル!』••••••ふんっ!」



とりあえず不審者を殴る。

書いたのわたくしじゃないのに〜、という看板は無視だ。

おそらく書いたのは初代国王だろうが••••••。



「歪んでいるな」



「ああ、そうだな」



喧嘩売ってるとしか思えない表紙である。

しかも何故か裏面に『今どんな気持ち〜』とイラスト付きで書いてある。

今すぐ破りたい衝動に駆られてたが、我慢して中身を確認する。

意外にも、中身はマトモだったので、それを見てオレは魔法陣を調整することができた。

そして、速攻で部屋から出たのだった。












・おまけ

あいつの名前(by. ティア)



部屋から出てお父様に報告に行く道中、シュウヤが尋ねてきた。



秋矢「あいつの名前って何なんだ?」



ティア「••••••さあ?」



冗談では無く、本当に知らない。



秋矢「••••••まあ、どうでもいいか」



ボクの顔を見て、シュウヤがつぶやく。

その後は、とりとめのない話をしながら目的地に向かった。



そして(by. 秋矢)



奴の名前なんて割りとどうでもいいです。

じゃあ聞くなとか言わないで。



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