No. 23 王様からの頼みごと
「広まっているわけでは無いし、このことは、私とマイク他数名しか知らぬことだがな」
困惑して固まったオレを放置して、王様は淡々と告げる。
とりあえず、いつまでも固まっているわけにもいかないので、無理矢理、頭を動かして口を開く。
「••••••この国の初代国王様と同じ、ですか?」
「そうだ。そして、強化召喚は固有スキルだ。聞いているかは知らんが、固有スキルは基本的にその人間の親族以外では発現することはあり得ないとまで言われている」
それは初めて聞いたな。
「そうなると、お前はある意味私の親族にあたることになるが、異世界出身者と親族だとは思えん」
それはそうだろう。
オレは王家の人間では断じて無いのだから。
物理的にも血の繋がりようが無いし。
「そういうわけで、私はお前に興味を持ったのだ」
「それは••••••そうでしょうね」
オレも王様と同じ立場なら、同じように気になっただろう。
それだけ不思議なことだ。
「今は、王家の人の中にこのスキルを持っている人はいないんですか?」
「おらん。むしろ、初代以外に持っていた人間の記録が無いほどだ」
そうなのか。
••••••しかし、そうなると本格的に謎だな。
手掛かりなんかは••••••あ。
そうだ、リオンなら何か知っているんじゃないか?
例えば、あの図書館に何らかの記録が残っていたりとか••••••ありそうだな。
帰ったら聞いてみるか。
そう考えていたら、目の前を誰かの手が横切った。
「シュウヤ君、大丈夫かい?」
「え?ええ、大丈夫ですけど••••••」
どうやら、結構深く考えていたらしい。
マイクさんが、心配そうに見ている。
「話を進めていいか?」
「どうぞ」
まだ、話があるのか?
「まあ、話というよりは頼みごとのようなものだがな」
「え、頼みごとですか?」
王様から頼みごとって••••••。
どんな無茶振りが飛んでくるのか••••••。
「••••••オレに出来ることなら」
内心ドキドキしながらそう答える。
「そう身構えるな••••••は、無理か。とはいえ、そこまで無理難題を頼もうとしているわけではないから安心しろ」
うん、無理ですねー。
オレのメンタルじゃ、そんなこと言われても安心出来ない。
「お前にやって欲しいのは、勇者召喚用の魔法陣の管理だ」
「••••••」
何だそれは?
「初代国王様が設置した、勇者召喚専用の術式だよ。強化召喚を基に創ったらしいよ」
解説ご苦労様です。
しかし、オチがもう見えたよな。
「設置してある魔法陣というものは、時より整備しないと暴走する可能性がある。初代が創った魔法陣はこれまで暴走したことは無いが、これからもそうだとは思えん。それに、今までは、それなりに優秀な召喚士に任せていたが、強化召喚を基に創ってある以上、術式の補強などは出来なかったのでな」
「つまりは、強化召喚を使えるオレに術式の補強などをして欲しいと」
「ああ。勿論、執事の仕事を優先してくれて構わない。時間があればやってくれという程度のことだ」
バイトみたいなことだと思えばいいのかな?
まあ、答えは一つだ。
「お受けします」
「ふむ、契約成立だな」
というわけで、オレに新たな仕事が増えたのだった。
・ギシリヤ
秋矢が今いる国。大国の中では、かなり新しい。まだ建国から100年経って無い。召喚術絡みの技術が高い。首都はアイギス。




