No. 22 御対面
コンコン。
「王様、僕です」
そんな声掛けでいいのか!?
扉の前で叫びそうになるのを必死に堪える。
この人、大物だな。
いや、実際大物ではあるのだろうけど。
ちなみに、この部屋はおそらく玉座ではない。
「入れ」
そして、部屋の中から、一言声が。
ああ、入りたくないィィィィ!
でも、入らないといけないィィィィ!
なんて脳内でキャラ崩壊を起こしていたが、無情にもマイクさんがガチャリとドアノブを捻ってしまった。
ちょ、待って!
「失礼しまーす」
軽ッ!
軽いよマイクさん!
ああ、ちょっとオレの手を引かないで!
なんて願いは当然のごとく届かない。
「ほら、覚悟を決めて」
そんな満面の笑みで言わないでくださいよ••••••。
オレはガチガチに緊張しながら部屋に入った。
「連れてきたよ」
マイクさんはその人物に、気軽に声を掛ける。
「見ればわかる。よく来たな、歓迎するぞ」
声も見た目もかなり若い。
マイクさんもだが、この世界の人は老化が遅いのだろうか?
「この国、ギシリヤの王をしている、カイルス・アルファ・ギシリヤだ」
王様ですね、わかります。
青髪に、碧い目。
そしてイケメン。
この世界の顔面偏差値高過ぎ••••••。
イケメンがインフレ起こしてるよ。
とりあえず、オレも名乗るべきか••••••。
落ち着け••••••明鏡止水、明鏡止水。
脳内で発声練習•••••••良し!
「初めまして。しばらく、フォルティシモ家の執事をやらせていただくことになりました、シュウヤ・ホシミズです」
そして、一礼。
問題は無いはずだ。
と、思ったのだが••••••。
「肝心なところが抜けているぞ?」
と、言われた。
「肝心なところですか?」
「ああ、異世界から来たという、な」
そこですか。
いや、まあ、重要なポイントなんだろうけどさ。
「そうですが、異世界から来たならどうするんですか?」
正直、異世界出身だからと言って、わざわざ気にするほど王様も暇じゃないと思うのだが。
「かなり重要だぞ。何せ、勇者と同郷の者なのだからな」
「勇者?」
意味はわかるが、いきなりの新出単語に戸惑う。
この世界って、勇者いるのか。
「我が国には現在いないがな。それに、勇者で無くとも異世界出身者というのは、ステータスが飛び抜けていたり、特殊な能力を持っていることが多い」
そうなのか。
いわゆる、異世界人補正というやつか。
「とはいえ、それだけならばこうして私的に会うことは無い」
なら、何故。
というのは、愚問だろう。
間違い無く、強化召喚絡みだろう。
マイクさんも、王様が詳しく知っていると言っていたからな。
「どうやら、何故かはわかっているようだな」
オレの顔を見て、王様は笑う。
話が早くて助かると思っているのだろう。
「回りくどいのは嫌いなのでな、ストレートに私が強化召喚について詳しいか教えておこう」
腕を組み、真面目な顔をする王様。
凄く様になってる。
「それは我が祖父ーー我が国の初代国王がお前と同じようにその召喚術を持っていたからだ」
••••••え?
オレは予想外の言葉に、しばらく固まった。
・ミストウルフ
ミストフォレストの産地限定魔物。全身を霧で覆っているのが特徴。かなり強い分類に入るのだが、臆病なので人と遭遇することは少ない。出会えたらラッキー。




