No. 196 目覚めの膝枕
目覚めると後頭部に柔らかい感触があった。
「あ、目が覚めた?」
視線をそのまま上にすると、そこには美少女がいた。
というか、何故だかスピカが膝枕をしていた。
……。
「えっ!?ちょ、これどういう状況だ!?」
「うわ、ちょっといきなり動かないでよ!」
「わ、悪い……じゃ、なくて、だ!何でオレはスピカに膝枕されているんだ!?」
動かないでと言われたので、大人しくスピカの太ももの感触を楽しみながら問いかける。
うむ、素晴らしい感触である。
このまま何も考えず眠りたい。
「おやすみー」
「いや、何でいきなり眠ろうとしてるの!?」
特に理由など無い。
だが、これ以上は堕落しそうなので身体を起こす。
「お目覚めかい?」
椅子に座っているフウラが何かの魔導具を弄りながら声を掛けて来た。
フウラの方を向くと、真冬、ティア、アインスの姿も目に入った。
だが、何故かアインス以外は机に突っ伏して寝ている。
「真冬とティアはどうしたんだ?暇だから寝たのか?」
「いや、この二人は現在、忘れた記憶の回想でもしているんじゃないかな」
え?
「それって……」
「私としては、君にだけ掛けたつもりだったんだけどね。この二人にも当たってしまったようだ」
なるほど。
まあ、特に害がわけでもないし、放っておこう。
「それで、何故にスピカはオレに膝枕してたんだ?」
「君が苦しげに呻いていたから心配になった彼女が少しでもそれを和らげたいとーー」
「わー!!わーわーわー!!」
スピカが赤い顔でフウラの目の前で大きく手を振る。
まあ、大体わかったが。
うん、触れないであげよう。
「シュウヤ、さん。何か、飲みますか、?」
「ああ、貰う。うーん、何がある?」
「紅茶、か、コーヒー」
「コーヒーで。砂糖とミルク入りで」
アインスからコーヒーを貰って一口飲む。
二人はまだ目を覚まさないようだ。
この間に思い出したことを整理しておこう。
「……」
……整理すればするほど意味不明になっていくんだが、どうすりゃいいんだ?
オレのいた世界って、あんなに魔窟だったのか?
あんなよくわからん組織に所属してそうな連中なんて、ファクションの中だけの存在だと思っていたぞ。
この世界にも似たような連中がいるし、世界というものは案外何処も対して変わらないんじゃないだろうか。
オレは適当にそう結論付けた。




