No. 193 秋矢の記憶11
結局トラブルの中心にいるのはオレな件について。
オレ、狙われてたのか。
全く気づかなかったが……まあ、当然か。
この世界にいた頃のオレは完全に一般人……の、はずだからな。
……一般人だよな?
体質がよくわからんことになってようが、身内が魔術師だろうが、元・無限図書館の管理者だろうが、自覚が無ければ一般人だと言ってもいいはず。
多分おそらくきっと。
……断言出来ないのが悲しいところである。
「しかし、どうやって?どうするつもりだったんだ?いくら繋がりが深くても、今の秋矢は普通の人間だ。秋矢をどうしようが、無限図書館には辿り着けないはずだぞ」
オレが内心で遠いところを見ているうち間にも、話はどんどん進んでいく。
「さっき言ったでしょ?秋矢ちゃんのDNAがメチャクチャになっているって。そうなった原因は無限図書館。管理者にするために存在を書き換えていたのを無理矢理中断させたのが原因。つまり、無限図書館の影響でそうなった。そこには、無限図書館の力が少しだけでも残されているはずでしょう」
「いや、まさかそんな」
「嘘じゃないわよ。そもそも、それを抜きにしても、夏夢ちゃんが不完全な管理者である以上、本来の管理者である秋矢ちゃんが無限図書館の管理者になろうとすれば、すぐにでもなることが出来るのよ」
え、そうだったの!?
つまり、オレがやろうと思えば、今からでも管理者になれると?
いや、なる気は無いけど。
「……つまり、洗脳か?」
「そうね。秋矢ちゃんが管理者になるように洗脳して、それに失敗したら人体実験、ってとこかしらね。どちらにせよ、ロクな目には会わないでしょうね」
だろうな。
洗脳も人体実験も、どちらもヤバそうな匂いがプンプンするぜ。
「そこでこれよ!」
叔母さんが謎のドヤ顔で魔法陣を指差す。
「これは一回限定で一人の人間を異世界に送ることが出来る魔法陣よ!」
何?
つまり、オレはこれを使って異世界送りになるわけか。
「……どうやってこんなものを?異世界にまで飛ばす転移術など、そうそう構築することも出来ないはずだ」
夏夢が首を傾げている。
この魔法陣の存在を心底疑問に思っているようだ。
「ふふ、知り合いの魔法使いちゃんに手伝ってもらったのよ」
「……魔法使い?」
目を細める夏夢。
「まさか、それはリオンのことじゃないだろうな」
…………ん?
唐突に夏夢が聞き覚えのある、というか最初に名乗った名前を言った。




