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No. 192 秋矢の記憶10

「ま、それはそれとして、これからの話をしましょう」



叔母さんは足で床をトントン叩く。

そこを見ると、大きめの魔法陣があった。

何故気づかなかったのかわからないくらいの大きさの魔法陣だ。

……。



「……母さん。何をする気なんだ一体」



明らかにドン引きしてる様子の夏夢。

うん、気持ちはわかる。

まず、魔法陣が赤色の、どう見ても血にしか見えない液体で描かれている。

この時点で怪しいが、叔母さんが何を考えているのかがサッパリわからないせいで凄く怖い。

このタイミングなのも気になる。

さりげなく夏夢がオレを庇い出したし。



「いやーそんな反応されると流石に傷つくわよ。別に二人に危害を加えるつもりは全く無いわよ?逆に、これは二人のためにやるんだからね」



「……どういうことだ?」



「ふふふ」



夏夢の問いかけに怪しげに笑って、叔母さんは話し出す。



「ここに来る前に変な連中に襲われたでしょ?」



「ああ」



「彼らはね。夏夢ちゃん、より正確には夏夢ちゃんの図書館が目当てなのよ。それはわかるわよね?」



「まあ、そのくらいは。他に狙われることはないだろうし」



「あると思うわよ?夏夢ちゃんも秋矢ちゃんも美少女だから」



「秋矢は男だぞ?」



「見た目だけなら美少女でしょ?」



本人を前にして失礼にもほどがあるだろ!?

これはいくら身内でも許せないレベルだ。

オレの目元がピクピクしていることから、過去のオレも切れているらしい。

だが、何も言わない。

グッと我慢している。

まあ、足が痛いと言うのもあるかもしれんが。

お忘れかもしれないけど、足にナイフがぶっ刺さってたわけだしな。

いつの間にかに、おそらく夏夢が治してくれていたとしても、感覚は残っているだろうからまだ痛いはずだ。



「まあ、秋矢ちゃんが美少女なのは置いといて、えーと、何処まで話したかしら?」



「連中の狙いが無限図書館ってとこだ」



「ああ、そうだった。えーとね。とにかく無限図書館が欲しい彼らとしては、夏夢ちゃんを捕まえたいのよ。でも、普段夏夢ちゃんは無限図書館内に篭ってるじゃない?」



「その言い方はやめて欲しいな。まるで私が引きこもりみたいだ。別に好きで無限図書館内に篭ってるわけじゃない。出来ることならずっと秋矢の側にいたいよ」



「あらあら。若いっていいわね」



「おばさんくさーー」



「は?」



「……なんでもない」



怖ェェェェェ!?!?

夏夢が速攻で引き下がるとは、恐るべし。



「とにかく、無限図書館は欲しい。でも、夏夢ちゃんは捕まえられない。だったら、あの連中は誰を狙うと思う?いや、狙ってたと思う、かしら?夏夢ちゃんが来たから夏夢ちゃんに標的を変えたみたいだしね」



「……まさか」



夏夢が微かに青ざめた顔でオレを見る。



「そうよ」



叔母さんもオレの顔を見て頷き、こう言った。



「彼らの狙いは秋矢ちゃん。本来の無限図書館の管理者。常にこの世界にいる人間の中で、最も無限図書館との繋がりが深い人間よ」
















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