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No. 18 竜王の昔話

「竜王?」



竜王って••••••ドラゴンの王様か?

この筋肉が?



「ほほう、初見で見抜いたのは貴様が初めてだ!」



面白そうな目でリオンを見るバーン。



「答えろ」



それに対してあくまで冷静に答えを求めるリオン。

てか、何でこんなに警戒しているんだ?



「竜王が何の理由も無く人間の屋敷で庭師などやっているわけが無いだろう」



それは確かに。

いや、理由があってもおかしい気がするが。



「聞きたいか?」



「ああ」



「では話してやろう!」



話してくれるんかい!



「では、わたくしは仕事に戻ります。皆さんは今日のところは自由にしていてください」



マシュさん、普通に仕事に戻る。

マシュさんの態度からして、この人(?)が竜王であることは了承済みなのか。



「マシュ嬢がいなくなったところで何から話すか••••••まずは腰を下ろすとしよう!」



そう言って何処かに向かおうとするバーンにオレ達はついて行った。






「ここは?」



バーンについて行った先にあったのは、色とりどりの花が咲き誇る庭だった。



「我が手入れした庭だ!」



「マジっすか!」



竜王パネェ!

人は見かけによらないと言うが••••••うん、本当に。

オレ達はその庭の中心に設置してあるテーブルの席に座る。

落ち着いてきたところでリオンが口を開いた。



「で?早く話せ」



こいつもコロコロキャラが変わるなあ••••••。



「少々長くなるぞ?」



「構わない」



リオンの言葉にバーンが頷く。



「そうだなあ••••••あれは今から何十年前か••••••まあ、そうだな、今の旦那が貴様達以上に子供だった時の話だ!」



そう言って、バーンの話は始まった。



「数十年前、我は火竜王・バーンとしてとある火山の火口で火竜の仲間と共に暮らしていた」



火山の火口で住めるとか、そこは火竜だからか。



「竜というのは、地上の生物の中でも強い種だ。あの頃からそれは変わらん。そして強い者に挑むものなどそうはおらん。故に、我が一族には常に平和が確立されていた」



だか、と一度区切る。



「奴は突如現れた。奴が何であったかは今でもわからんが、我ら竜種を凌駕する力を持っていたのだけはわかる」



竜を凌駕する謎の存在か。

一体何者だよ。



「我は竜を束ねる王として、仲間を逃がすために奴と戦った」



「••••••ここはオレに任せて先に行け!とか言いました?」



「よくわかったな小僧」



マジかよ。

キャラ的にありそうだと思ったら、見事に死亡フラグを建てていらっしゃった。



「話が逸れたが、奴と戦ったはいいが、それは見事に負けてな。我が人生もこれまでかと諦めかけてしまった時だ」



どっかから取り出した麦茶を一口飲んでバーンは続ける。



「そこに現れたのが、旦那の祖母にあたるノピア・デルタ・フォルティシモ••••••”音速の魔術師”と呼ばれた人間だ」



割と強そうな二つ名だな。



「ノピアは高笑いしながら奴を殺してな。あれ程人間が恐ろしいと思ったのは初めてだ」



オイ、ノピアさん性格に問題があったんじゃないか!?



「そしてノピアは我を勧誘してきてな。まあ、我も他の火竜が何処に逃げたのかわからんし、指を時より向けてきてな、断ったらノピアに何されるかわからんかったからな、誘いに乗ったのだ」



それは一般的に脅迫と言われる行為なのでは••••••?



「ノピアさんってどんな人だったんですか?」



「そうだな、スピカ嬢を少々凶暴化させたような性格をしていた」



スピカはそうならないように祈ろうか。



「まあ、そこに目を瞑ればいい奴ではあったからな。我はそれからこの家で庭師をしているのだ」



「いや、なんで庭師なんだよ」



「庭師になった理由は特に無いがな。あえて言うならば、他にやることが無かったからだ」



「••••••そうですか」



つまりは暇潰しか••••••。

まあ、そのおかげでこんな綺麗な庭が出来たわけだし竜のイメージが壊れる以外は問題無いの、か?



「我の話はここまでだが、何か質問でもあるか?」



オレとアインスは首を振る。

そしてリオンを見た。

リオンは少し何かを考えていたようだが、しばらくして口を開いた。



「いや、無い。••••••悪かったな、竜にはいい思い出が無くてな」



「なに、気にすることはない!」



リオンの謝罪を気にすることはないと笑うバーン。

まあ、二人とも問題無いようで何よりだ。



「さて、では我はここで抜けさせてもらおう!お前達は好きにするがいい」



バーンはそう言って立ち去った。

その後、オレ達は改めて屋敷内を周ってみたのだった。











・竜王

ドラゴンの王に与えられる称号。前任の竜王から特殊な魔力を受け継いでなる。竜王は全部で六体存在する。誰が名乗り始めたかは不明。



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