No. 15 マイクさんとお話
「ーーうん、なかなか似合っているよ」
女性陣の姦しい会話から脱出してきたオレとマイクさんは、マイクさんの書斎に来ていた。
何故書斎かというと、秘密の話があるそうだからだ。
「そうですか?服に着られてる感が半端ないんですけど」
この家で働いている執事さんのお下がりの執事服に手を通した感想。
うん、似合わない。
オレはそう思ったのだが、マイクさんは違うようだ。
「シュウヤ君は少し女の子っぽい顔立ちだけど、整っているからね。基本、どんな衣装でも似合うと思うよ」
「そうですかね?」
褒められるのは嬉しい。
しかし、この人ちょっと危ない気がする••••••。
BL的な意味で。
大丈夫だよな••••••?
「サイズもピッタリ合ってよかったよ」
「そうですね」
この服をくれた執事さんには、今度お礼を言っておこう。
まぁ、同じ職場なのだから明日にでも、なんなら今日でも会えるだろうし。
「さて」
マイクさんが椅子に座る。
「じゃあ、話をしようか」
マイクさんが、真面目な顔になる。
「本当のことを聞かせてくれるかい?」
「何のことでしょうか?」
無駄とはわかっているが、しらばっくれてみる。
「そうだね、とりあえず記憶喪失というのはどこまで本当なのかい?」
「それはオレが嘘をついている、と?」
「う〜ん、多分、嘘ではないんじゃないかな?でも、本当でもないって感じかな」
鋭い。
扱いは雑であるが、その辺はやっぱり人の上に立つ公爵さんか。
「とりあえずアタリと言っておきますよマイクさん••••••いや、旦那様」
「別にマイクさんでも構わないよ」
「では、遠慮無く」
許可をもらったので、今後もマイクさんと呼ばせてもらおう。
「それで、マイクさんはオレをどうしたいんですか?」
「どう、とは?」
「なんちゃって記憶喪失者なんて怪しいじゃないですか。それでも、オレを雇ってくれるんですか」
「それは君の話を聞いてからだよ」
ごもっとも。
オレは苦笑して、オレの知ってる範囲のことをマイクさんに話した。
「ーーリオン君に関することだけ忘れている、か」
オレの話を聞いたマイクさんがそうつぶやいた。
「話を聞く限りだと、シュウヤ君とリオン君は過去に知り合っているはずで、かなり仲が良かったということになる」
「はい」
「でも、君はそのことを全く覚えてないと」
「そうなりますね」
オレは縦に振る。
「手掛かりとかは無いのかい?こう、過去にリオン君からもらったと思われる物を持っていたりとか」
「いえ、まったく••••••あ」
そうだ、一つだけあった。
「多分ですけど、妹が関わっていると思うんです」
「妹さんが?」
「はい。リオンと妹は瓜二つと言っていいほど似てますし、リオンも妹のことを知っていましたから」
リオンが真冬の名前を言ったとき、ちょっと優しい口調だった。
リオンが真冬では無くても、無関係であるとは思えない。
「成る程ね。でも、妹さんはこの世界にはいないのだろう?」
マイクさんには、異世界のことも言った。
そこを踏まえての言葉だろう。
しかし、オレにはいい考えがある。
「オレには召喚術がありますから、その気になれば呼べる••••••はずです」
とはいえ、イマイチ強化召喚の能力がわからない。
リオンが言っていたこと以外にも何かある気がする。
それが判明するまでは、なるべく使いたくは無い。
「成る程••••••」
マイクさんが考え込む。
「少々無責任だけど、その辺は君が決めることだからね」
「それはまあ、その通りですね」
「困ったことがあれば相談してくれ」
それで話はとりあえず終わった。
その後、マイクさんが割り振ってくれた部屋で寝ることにした。
ちなみに、女性陣は夜遅くまで話していたらしい。
元気だなー。
・司書
Classの一つ。文字通り、図書館の職員さんの適性があるが、リオンの場合は管理者を人間に型落ちさせたらこのClassになった。




