No. 122 誰が女だ、オレは男だ
「ーーで、どの依頼を受ける?」
ひとまずティアのことは置いておいて、ギルドにやって来た。
そして、ギルドの掲示板で良さそうな依頼が無いかを探し中だ。
「うーん、今日は練習的なことをするわけだし、あまり高難度の依頼は対象外だろ?」
「まあ、そうだな。街に戻ってくる時間も考えて、近場で雑魚狩り程度の依頼がいいだろう」
近場で雑魚狩りか。
んー、となると••••••。
「これかな?『街の近くにゴブリンの群れが現れたので退治してください』」
報酬は2000G。
言い忘れていたが、この世界の通貨はどの国もGで統一されている。
両替とか考えなくていいから楽でいいけど。
しかし、仮にも命をかけているのに報酬は日本円で考えて2000円。
ゴブリンが雑魚なこともあるかもしれないが、少なくともオレ達がいた世界より命が軽い世界である。
「これが少なく感じるのはオレだけなんだろうか••••••」
「いや、私も少ないと思うぞ。まあ、思ったところで変わらんがな。早く行くぞ」
異議なし。
というわけで、サッサとギルドから出て行こうとしたところで、オレ達の前にニヤニヤしている素行の悪そうな男共が立ち塞がった。
目的が丸分かりな連中だ。
変態的な目でオレ達を見てくる。
••••••あれ、オレ達?
「待ちな、お二人さんよ。お前ら、新入りか?」
「残念ながら新入りではない。このギルドには初めて来たがな」
面倒くさそうな表情の夏夢が淡々と答える。
チラッと辺りを見回してみると、またかと言いたげな視線が不良男共に向けられていたので、よくあることなのだろう。
「その割りにはゴブリン退治なんてクエストを受けてるみたいだが?お前さんはともかく、そっちの嬢ちゃんは初心者なんじゃねぇのか?」
••••••ん?
そっちの嬢ちゃん?
「女二人、一人は初心者ってのは危険じゃねぇのか?俺たちが力を貸してやってもいいんだぜ」
「オイこらちょっと待て」
オレは一歩前に出て、節穴男共にガンを飛ばす。
「オレは男だ。女じゃねぇよ」
オレの言葉に男共は顔を見合わせ、再びオレの方を見る。
「••••••ハァ?」
オイ、その反応はなんだ?
女顔だとしても服装で男だってわかれよ。
「オイオイ冗談キツイぜ。お前みたいな男がいるかよ」
よし、殺そう。
「アダマス」
頼れるAIBOアダマスさんを呼び出す。
突然現れた大鎌に、ギルド内がざわめく。
「アダマス。こいつらのアレをぶった切るぞ。お前の得意分野だろう?」
男共の股間を見ながら鎌を構える。
『起こされたと思ったらそんなくだらないことに使わないで欲しいんだけど』
眠そうなアダマスの声。
それを無視して一歩踏み出そうとしたところで、夏夢に襟首を掴まれて静止させられる。
「やめろ。こんなところでそんな汚いものを切ろうとするな」
そのまま夏夢はオレをズルズルと引きずる。
「ではな。男として死にたくなければ、秋矢を女と間違えるのはやめるんだな」
そして、展開についてこれていない周囲を放置してギルドから出た。




