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123/199

No. 123 薄くないはずだ

「全く失礼にもほどがあるだろ!」



街の外まで引きずられたオレは、夏夢の手をタップして窒息死することをギリギリ回避した。

夏夢はこんな程度じゃ死なないとは言っていたが、死ななきゃいいってもんじゃない。

首を絞められる苦しみは伝わるのだ。

まあ、それはともかく、オレはさっきの失礼な連中にキレていた。



「人が気にしてることを言いやがって!オレは男なんだよ男!服装だって男だろう!何処に間違える要素があるんだよ!」



「落ち着け秋矢」



オレの肩に手を置き、夏夢は落ち着くように言ってくる。



「君が女顔なのは今更だろう?それに、私が隣にいたわけだし、余計に女に見られたのかもしれない。私たちの顔立ちは似ているからな。姉妹だと思われたんだろう」



慰めになってねぇ!

日本で真冬と一緒にいた時にそんな間違いをされたことはあるが、夏夢もか••••••。

そんなに似ているか、オレ達?

いや、まあ確かに血縁者だし、似てるか似てないかだったら間違い無く似ているけど、男と女の違いがわからなくなるほど似ているわけじゃない••••••多分。



「あとは単純に願望じゃないか?」



「願望?」



「アレだ。わかりやすく言えば、ゲームでどう見ても女の子にしか見えないキャラクターが男の格好をしてる時、男装少女だと思うだろう?」



「ああ。で、そういうキャラクターに限って実は男の娘でしたってオチだな」



「うむ、そんな感じだ。まさしく君がな」



うむ、じゃねぇよ。



「それはあくまで二次元の話だろ。現実でそんなことが••••••」



「起こっているから君は嫌がっているのだろう」



夏夢の正論に何も言い返せない。

実際、女と間違えられているからキレてるわけだしな••••••。

やっぱり男らしさが足りないのが原因か?



「髭でも生やそうかな?」



「急にどうした?」



「いや、まずは見た目からかと思って••••••」



「そもそも、私は君に髭が生えてるところなど見たことないぞ。別段剃っているようには見えないし、生えないだろう。••••••男性ホルモンが薄いんじゃないのか?」



「やめろ、気にしてるんだ」



同級生の男子にもそんなことを言われたことがある。

やっぱ薄いか?薄いのか?



「いいじゃないか。一々剃る必要が無いしな。というか、今更だが君の肌、綺麗過ぎないか?」



「そうか?気にしたことは無かったが」



「••••••女性の敵だな。おっと、そんな話をしてる間に私たちの敵が来たようだぞ」



夏夢が右を見てつぶやく。

夏夢が見ている方向からは、数体のゴブリンがこちらに突然して来ていた。



「さあ、トレーニングの時間だ」














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