No. 11 天使の機能
「何かスキルレベルとかぶっ壊れてないか?」
全部MAXってなんだよ。
「そうか?これでもステータスはかなり弱体化しているが」
弱体化?
「このステータスで?」
「ああ、あくまで”強い人間”レベルに収まっている」
まぁ、実際は天使らしいからな。
本人は成り損ないとか言っていたが、そこは事情があるのだろうから聞かないでおこう。
「この(+100)は?」
スピカが首を傾げる。
「それは強化召喚の強化分だな。本来のステータスにその数値を加えたのが今の私のステータスだ」
オレのスキルか!?
え、これ意外とチートじゃね?
元が1でも100プラスされたんじゃ、どんな奴でもオレより強くなんじゃん!
「スキルにある天使化っていうのは?」
「その名の通り、一時的に天使になるスキルだな。これは私が元々持っていた機能の一つだが」
「機能?」
まーた、よくわからない単語がホイホイ出て来るな。
「スキルとは違うの?」
スピカがリオンに質問する。
「全然違う。そうだな、スキルが人間の持つ力だとすれば、機能は神霊が定めた理のようなものだ。まぁ、機能にも種類があるがね。神霊そのものが機能となる場合もある」
「う、うーん、ちょっと難しいな」
スピカがおでこに指を当ててグリグリする。
ちょっと可愛い。
「まぁ、無理も無い。これに関しては緑で無くとも理解しづらいだろう」
少しだけ優しい口調でリオンが答える。
「機能の一つってことは、リオンはまだ機能を持っているのか?」
オレはリオンに問いかける。
”一つ”というからにはまだありそうだ。
「まあな。私の図書館も機能の一つだ」
案の定だった。
しかし、あの図書館が機能か。
つまり、創ったのは神様なのか。
「その通りだ。どの神霊が創ったかは不明だが、神という存在が創ったのは間違いないだろう」
答えてくれるのはいいんだが、心を読むのはやめて欲しいですよ、リオンさん。
「そうか、それはすまないな」
謝るくらいなら読むな!
「神霊のステータスってどのくらいのものなんだ?」
心を読むことについては無限ループを起こしそうなので、サクッと話題を変更する。
意外と気になることでもあるし。
「ふむ、そうだな。神霊にも色々あるが••••••大体、今の私の••••••何倍だろうな?」
首を傾げるリオン。
「すまない。所詮、天使程度の私ではよくわからない」
「そんなに凄いの?」
スピカが驚いたような声を出す。
「凄いなんてものじゃない。これでも私は熾天使••••••最高クラスの天使と同程度の力はある。それでも、下級の神霊とやっと”戦い”になる程度のものだ。最初からスペックが違い過ぎるのだ」
「それほどか」
「まぁ、私が天使として中途半端だったりするのもあるがな。熾天使と同程度と言っても力を使いこなせて無い」
「リオンは神霊と戦ったことがあるの?」
スピカがあえてオレが聞かなかったことを聞いてしまった。
「まぁ、あると言えばあるな」
嫌そうな顔をするリオン。
どうやら、あまり思い出したくは無いらしい。
スピカも察してそれ以上は聞こうとしない。
それから、しばらく全員が無言フェイズに移行する。
それから、またしばらくしてから、スピカが声を上げる。
「見えてきたよ!」
ビシッと前方を指差すスピカ。
オレとリオンがそっちを見ると、遠目からでも大きく見える街が見えた。
「ふむ、中々大きそうな街だな••••••」
リオンがつぶやく。
「結構掛かったな。早く街で休みたい••••••」
「まあ、色々あって疲れたよね」
スピカが苦笑する。
それから、オレ達は少しだけペースを上げて街へ向かった。
・天使化
リオンの持つ機能の一つ。一時的に存在を天使に昇華させる。リオンは生粋の天使で無い上に、普段から天使に成りきれてないので、この機能を使った時だけ完全な天使となる。
・完全記憶
スキルの一つ。一度見たものを完全に記憶する能力。リオンは無限図書館の管理に大いに役立てている。




