No. 107 組織名
「ーーまだ何かあるか?」
しばらくして、やっと酒呑童子の勢いが止まった。
凄く細かく聞かれたな。
一部はオレもよく知らないものもあったが、なんとかほとんどの質問に答えることが出来た。
「いや、無い。ふぅむ、そうか。今の日本はそんなことになっておるのか」
驚いているようにも、そうじゃないようにも見える様子の酒呑童子。
「だいぶ変わったようじゃな」
「そうだな。まあ、あんたがいた時代から何年も経ったわけだしな。そりゃ変わるだろう」
何百、いやそれ以上か。
それほど前のことだ。
当然変わるだろ。
「それもそうじゃな」
酒呑童子もわかっているようで、すぐに納得したように頷く。
「さて、そろそろオレ達は帰っていいか?」
話してたらだいぶ時間が経ったからな。
早く帰りたい。
「うむ、いいぞ。わしはもう少し飲んでいくのでの。支払いは任せるのじゃ」
「そもそもあんたしか飲み食いしてないでしょうが••••••」
アダマスがため息混じりにそう言う。
その様子を尻目に、スピカを背おって立ち上がる。
そして、いざ帰宅、と思ったところで一つだけ聞きたいことを思い出した。
「最後に聞くけど、フォルティシモの秘宝って何か知ってるか?」
「フォルティシモの秘宝?ああ、あの暗殺者共が探していたものか。いや、詳しいことは知らん。ただ••••••」
「ただ?」
「まともなものではなかろう。あの組織が欲しがっているという時点でろくでもないものじゃ」
「そういや、あいつらの組織って何なんだ?」
「暗殺者の集まりじゃな。陰湿で姑息な連中が集まりに集まっておる。暗殺以外はダメダメな連中のクセに、暗殺に関しては無駄に優れてるという嫌な奴らじゃ」
それは確かに嫌だな。
「あんたは仲間じゃないのよね?」
「当然じゃろ。あんな連中の仲間など死んでもお断りじゃ。わしのいる組織のリーダーは協力するよう言っておるが、わしは断じて協力などしない」
「••••••あんた、組織に属しているの?」
「暇つぶしにな。ほとんどいるだけじゃし、上からの仕事など気が向いた時にしかやったことないわ」
なるほど、幽霊部員だな。
「何の組織よ?」
「何じゃろうな••••••しいて言うならテロリストかの?」
「シュウヤ。やっぱりこいつ殺しましょう」
「あーはいはい落ち着け。オレは絶対にやらんからな」
ギャーギャーうるさいアダマスの腕を掴んで引きずる。
「何ていう組織に所属しているのか••••••は、流石に話せないか」
「一応の。聞かんでくれ」
「じゃ、暗殺者達の組織名を教えてくれよ」
おそらく話してくれるだろうと思い問いかける。
そして、酒呑童子はオレの予想通り教えてくれた。
「”黄昏の死団”。大層な名前じゃが、地味な上に、知名度が微妙な組織じゃよ。組織名を知ってるのは国の上層部くらいじゃろうよ」
次回は視点が変わります。




