No. 105 鬼の弱点
「どんだけ飲むんだよあんたは?」
ついつい口から言葉が漏れる。
「ん?いくらでも飲むぞ?鬼にとって酒は人間にとっての水と同じものじゃからな。摂取せんと死ぬのじゃ」
「え、マジで?」
「嘘に決まってるでしょ。騙されちゃダメよシュウヤ」
アダマスがため息をつきながら答える。
それに酒呑童子が反応した。
「いやいやこれは割とマジじゃよ?まあ、死ぬのは言い過ぎじゃが、適度に摂取せんとどうもやる気が出んからな。それに力を蓄えるためにも酒は必要なのじゃ」
「••••••その割りには酒を飲んだことが原因で死んでないか?」
宴で酒を飲んで酔ったところで首を跳ねられたんだろ?
蓄えた力はどうした。
オレがそう問いかけると、酒呑童子はバツが悪そうな顔でこう言った。
「いや、そうなのじゃがな••••••鬼は酒を飲んでいる間は存在が一段堕ちるのじゃ。人間と同等レベルまでの」
「••••••蓄えられてないじゃん、力」
「いや、酔いが覚めると一段パワーアップするからの。蓄えられてないわけではないのじゃ••••••ただ、力が発揮されるまでのブランクがあるというだけでの」
そのブランクが致命的過ぎるんだよ••••••。
クソデメリットとかそういうレベルじゃないぞ。
力を蓄えるために酒を飲む。
それが原因で殺されたんじゃ本末転倒じゃないか。
「ちょっと待ちなさい。それなら今のあんたは••••••」
「弱体化しておるよ。かなりの」
酒呑童子の返答を聞き、アダマスが纏う雰囲気を変えた。
「それはいいことを聞いたわ••••••シュウヤ!こいつを殺すわよ!」
殺気全開の絶対殺すマンと化したアダマスが、殺人(?)にオレを誘ってくる。
オレの返答は当然の如く。
「断る」
「なんでよ!ここは殺るところでしょう!?」
「いや、だってこいつ酒で酔っていたとしても強いだろ。少なくともオレよりは」
「小僧はよくわかっておるの。無謀な神器とは大違いじゃ」
酒を飲みながら感心したように頷かれる。
「弱体化したと言ってもそんじょそこらの人間如きに負ける気はないわ。他の鬼ならともかく、わしは最強の鬼じゃぞ?頼光のような武人に神の加護が加わるとわしでもキツイがの。そもそも小僧はあまり戦闘が得意ではなかろう」
「まあな。未だにステータスは魔力以外微妙な数値だし」
「自分のステータスをアッサリバラしてんじゃないわよ!」
隣でアダマスが怒っているが気にしない。
面倒だから。
「まあ、それでも弱体化していることには変わりないからの。アダマスに切られたらマズイかもしれん。全く、あのクソ親父は余計なもんまで遺伝させおって••••••」
「ん?親父?」
酒呑童子の父親ってことか?
••••••もしかして。
「その親父ってまさか••••••」
「心当たりがあるようじゃな。そう、八岐大蛇じゃよ」
予想通りだったよ!
だからどうしたって感じだがな。




