No. 104 続・世界の階層
「魔力を使う天使は全員堕天使なのか?」
「基本的にはな。例外はある」
「例外って?」
「元人間であることじゃ」
元人間。
確かリオンは人間だったって言っていたな。
つまりそういうことか。
「まあ、珍しいことじゃがな。人間が上の層に上がるというのはかなり特殊なケースじゃ。まず、何かあると考えて間違いないの」
まるで見透かしたように補足を加える。
「一番簡単なのは神から機能を与えられたということじゃが、人間に機能を与えるというだけでワケありじゃからの」
リオンにも色々あるということか。
そして、それには覚えてないだけでオレが関わってくるのだろうな。
「まあ、二層についてはそんなもんかの。次に三層じゃが••••••三層は複雑じゃからの」
「複雑って?」
「扱う力が固有なものが多い。存在する種が特殊だからだろうがの」
「どんなのがいるんだ?」
「幻想種じゃ。神話に出てきそうな架空の動物。代表的なのはドラゴンかの」
••••••あれ?
「ドラゴンって、この世界にもいるだろ」
「あれはこの世界にやってきた幻想種の末裔じゃ。三層の奴らとは正直別物じゃな」
なるほど、複雑なんだな。
扱う力が固有なものが多いのは、単純に属する種族がバラバラで、それでいて種族の数が多いからか。
ドラゴンと、例えばペガサスじゃ、まるで別の存在だもんな。
「で、次は四層じゃが••••••神力と言っている時点でお察しじゃな」
まあ、わからない方がおかしいよな。
「神か」
「そうじゃ。四層は神霊が蔓延る世界じゃ」
蔓延るって言い方••••••。
害虫じゃないんだから。
「ぶっちゃけ他に説明することはないの」
確かに。
神がいる世界という他に何を説明するというのか。
あえて言うなら、どんな神がいるかだが、聞く意味が無いので別にいい。
「で、五層は?」
さっき不明とか言ってたが、一応聞いてみる。
「五層はわからん。誰も知らんのでな」
「神もか?」
そもそも神より上があるのか?
「神も知らん領域じゃ。噂では”調律者”が何か知ってるらしいが••••••そもそもいつの時代もルーラーは秘密主義者ばかりじゃからの。聞いたところで話すことは無いじゃろう」
「なんだ?ルーラーって?」
名前的に何かのクラスか?
「わしも詳しくは無いがの。何でも世界が創り出す星造の救世主らしいぞ。世界の危機が訪れると、それを収拾するらしいがの。わしが会ったルーラーはどいつもこいつも小規模の世界の危機じゃったから大したこともないように感じての」
「その言い方からすると、危機の規模とルーラーの強さは比例するのか」
「察しがいいの。そういうことじゃ」
てか、何度かそういう場面に遭遇してるっていうのはどういうことなんだろうか?
「まあ、以上で説明は終わりじゃ。店主、もっと酒を持ってくるのじゃ」
更なるワインを頼む酒呑童子。
どんだけ飲むんだよ。
テーブルの上が空瓶で埋まりかけているぞ。




