No. 103 世界の階層
「まあ、小僧が聞きたそうだし、二層とは何か、というのは説明させてもらうぞ。ぶっちゃけ、わしが説明したいだけじゃが」
「••••••好きにしたら」
顔を背けつつも、OKを出したアダマスに酒呑童子が満足そうに頷く。
「とはいえ、何から説明したものか••••••いや、こういうものは率直に述べたほうが逆にわかりやすいか」
首を傾げて少し考えて、酒呑童子は口を開いた。
「そうじゃの、小僧。まずは五階建ての建物を想像するのじゃ」
「五階建ての建物••••••」
想像はしたが、それで?
「それを世界の形だと思え。わしたちが今いるのは一階じゃ。そして、それが一層。その上にあるのが二層じゃ」
••••••?
「建物が世界の形なのか?」
「あくまで例えじゃ。そうじゃの。前提として、世界は複数存在する。それはわかっておるじゃろう?」
オレは無言で頷く。
オレから見て、ここが異世界だし、他の異世界があってもおかしくはない。
「世界にはな、上下関係があるのじゃ。何層という例えは、それをわかりやすくしたものじゃよ。下から、一層、二層、三層、四層、五層といった具合にな」
「••••••どういう基準だよ?」
「扱う力じゃ。一層は魔力。二層は霊力。三層は••••••複雑じゃから飛ばす。四層は神力。五層は不明じゃ」
なるほど、全くわからない。
大雑把過ぎだ。
「わかってなさそうじゃな。うーむ、そうじゃな。一層にいるのは魔力を扱う種族。人間や悪魔などじゃ」
「••••••人間と悪魔は同列なのかよ」
「もちろん力の差はあるぞ。悪魔というのはある意味で人間の上位個体のようなものじゃからな。わかりやすくいえば猫と獅子のような関係じゃ。まあ、実際はかなり違うが」
「同じ科ではあるけど、力は全然違うってことか」
悪魔ってヒト科なのか?
割とぶっ飛んだ事実だな。
「悪魔というのは基本的に人間が悪意に限界まで浸って進化した種族じゃ。人間なら誰でも悪魔になれる可能性は存在するぞ」
「ちなみに基本的じゃない悪魔は?」
「堕天使じゃ。ついでに二層の説明をするが、二層にいるのは霊力を扱う種族。天使や妖怪などじゃな。堕天使というのは霊力が魔力に変質したことで堕落した天使の姿じゃ」
「••••••天使と妖怪が同列なのか。てか、妖怪って悪魔とは違うのか」
「全く違う。悪魔は悪意で出来ておるが、妖怪はイタズラ心で出来ておる」
••••••同じじゃね?
「天使と同列なのはあくまでどちらも霊力を扱うというだけじゃ。性質はまるで異なる」
「で、あんたは鬼。つまりは妖怪」
「うむ。その通りじゃ。そしてこの辺がわしが生き延びた理由なのじゃがの、霊力を扱う種族には体内に霊核という••••••まあ、心臓みたいなものがあるのじゃが、それを破壊されない限りは不死なのじゃ」
「つまり首を切られたけど、霊核は無事だったから生きてたってことか」
「まあ、一度二層に戻る必要はあったがな。そういうことじゃ」
へぇー。
そうなるとリオンとかどうなるんだろ?
あいつ、一応天使だし、霊核があるのか。
いや、でもあいつ普通に魔力使うよな。
••••••実は堕天使なんだろうか?
ちょっと聞いてみるか。




