表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でカフェを開いただけなのに、なぜか英雄扱いされています  作者: 断捨離
第2章 王都進出編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/61

第34話 王城、予算を通そうとする


「話を戻すな!!」


 俺のツッコミが響く。

 だが。

 王女は真顔だった。


「でも必要ですよ?」


「軽い感じで国家計画立てないで」


 すると。

 限界文官が、ふらふら立ち上がる。


「わ、私も賛成です……」


「増えた」


「喫茶ミナト導入後、文官の残業効率が――」


「残業を前提にするな」


 だが。

 周囲の文官たちも頷いていた。


「集中力向上は事実です」


「会議中の空気改善も確認されています」


「プリン導入後、怒鳴り合いが減りました」


「プリンにそんな効果ある!?」


 すると。

 セシルが遠い目で言った。


「以前は机を叩いていましたからね……」


「王都怖いなぁ」


 だが。

 その時だった。

 入口が勢いよく開く。


「待ったぁぁぁ!!」


「また!?」


 入ってきたのは、真っ赤な顔をした中年貴族だった。

 豪華な服。

 大量の部下。

 そして妙に偉そう。


「あの者たちの話に騙されるな!」


「誰?」


「紅茶派筆頭、グランベル侯爵です!」


「派閥の筆頭だった」


 しかも紅茶派。

 本当に派閥化してるんだ。

 すると。

 グランベル侯爵は、ビシッとこちらを指差した。


「確かに、この“黒薬”とやらは人気だ!」


「コーヒーです」


「だが!」


 侯爵は胸を張る。


「優雅な社交文化なら、紅茶こそ至高!」


「喫茶店で思想バトル始まった」


 すると。

 周囲の貴族たちがざわつく。


「来たぞ……」


「紅茶派だ……!」


「ついに全面対決か……!」


「対決しないで?」


 だが。

 グランベル侯爵は真剣だった。


「王城予算を、“ぷりん”などという甘味に使うなど論外!」


「そこなんだ」


「伝統ある紅茶文化を守らねば――」


 その時。

 リリアが、そっとプリンを置いた。


「どうぞ」


「なっ」


「食べずに否定するのは、不公平です」


「……!」


 侯爵の目が揺れる。

 周囲が静まり返る。


「確かに……」


「それはそうだ」


「まずは食べるべきでは……?」


 完全に逃げ道が塞がっていた。

 すると。

 グランベル侯爵は、ゆっくりスプーンを持った。


「……ふん」


 一口。


「…………」


 止まった。

 店内が静まり返る。

 二口目。

 三口目。

 そして。

 侯爵は、無言でプリンを完食した。


「…………」


「…………」


 誰も喋らない。

 すると。

 侯爵は静かに立ち上がる。


「……失礼した」


「え?」


「これは……必要だな」


「寝返ったぁぁぁ!!」


 店内が爆笑に包まれた。


「早い!」


「紅茶派筆頭が!」


「プリン派へ!」


「派閥増やすな!!」


 すると。

 グランベル侯爵は真顔で言った。


「紅茶とプリンは共存できる」


「なんか丸く収まろうとしている」


 だが。

 周囲の貴族たちは拍手していた。

 その中で。

 レオンだけが、小さく呟く。


「……市場が広がった」


「お前は本当にブレないな」


ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


もし「続きが気になる!」「面白い!」と思っていただけましたら、

下にある**【ブックマークに追加】や、【☆☆☆☆☆】を★★★★★**にして応援していただけると、執筆の励みになります……!


ほんの少しの応援でも、作者にとっては嬉しいものです。

どうぞよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ