第17話 装甲艦マキシマム
不気味なほど静かな金星への入港。
それは、狡猾な罠への入り口だった。
アパッチの故郷に隠された秘密基地「ヴァルカン・ハブ」で一行を待ち受けていたのは、リングの過去を知る女・セロ。
自爆シーケンスが作動し、絶体絶命の危機が迫る中、整備士ピーターの機転が地下に眠る「銀色の巨神」を呼び覚ます。
今、旧時代の遺産が咆哮を上げ、金星の岩盤をぶち破る。
伝説の戦艦、その名は——装甲艦マキシマム!
「オクトパス」の艦船へ金星の宇宙空港を大人しく通した。
ライコウ管轄官も大人しく、素通り出来るレベルで通れた。
「お疲れ様でした。ようこそ、金星へ」
「……妙だな。あんなに、レーザー照射合ったのに追撃が止まった?」
カイが怪訝そうにレーダーを覗き込んだ。背後に迫っていた共和国の機動兵器『ライガ』の反応が、まるで示し合わせたかのように一斉に反転し、遠ざかっていく。
「カカッ! 俺のタコ助にビビって尻尾巻いて逃げやがったか。ライコウの連中も焼きが回ったぜ!」
アパッチは豪快に笑い飛ばし、鼻歌まじりに操縦桿を倒した。オクトパスはそのまま、猛烈なプレッシャーを放つ金星の熱い大気を切り裂き、巨大な火口の底にある隠しドックへと滑り込んでいく。
金星:秘密基地「ヴァルカン・ハブ」
重厚な防壁が閉まり、外部の灼熱が遮断される。
格納庫のタラップが降りると、アパッチが真っ先に飛び出した。
「よお、ピーター!マキシマムの調整はどうだろ! 寂しかったか? 俺様が帰ってきたぜ!」
繋ぎを着た、くしゃくしゃ髪の若者がいた。
「おお、アパッチさん、久々ぶり!!」
装甲艦マキシマム。
旧時代の無骨な設計、重なり合った積層装甲、そしてそれ自体が巨大な鈍器のような威圧感。
オーバーホールの最中とはいえ、その存在感は「オクトパス」とは比べ物にならない。
艦隊の先端には特大の砲門が合った。
だが、再会を喜ぶアパッチの背後で、リングだけが周囲の様子に目を細めていた。
小声のリング「……アパッチさん……ここ誰かいるぞ!」
小声のアパッチ「ああ。分かってる?変な気分だ…?」
「……しまった。タコに追跡GPS付けられてる!?」
リングが指し示したのは、整備用通路に残された、新しい靴の跡。それも軍用ブーツの滑り止めパターンだ
忍び寄る「影」
その時、基地内の照明が赤い警告色に染まった。
『――ようこそ、アパッチ。そして裏切り者のリング。……待っていたよ』
突然ドックの上の拡声器から流れてきたのは、ノイズ混じりの、だが聞き覚えのある高飛車な女の声だった。
「……セロ!? なぜお前がここに……!」
リングの声に険しさが走る。
セロ――共和国ライコウの精鋭部隊「シルバーフォクス」の指揮官であり、リングとはかつての部下だった女だ。
「あら、リング隊長、裏切り者、アパッチと一緒とは、これも運命ですわ!」
カイが周囲を見渡すと、ドックの暗がりから、迷彩柄の殊部隊が次々と姿を現した。
「お前らが一番安心する場所で、一番大切な船を、目の前でスクラップにしてやる……それが上の命令でね」
ゼロの冷笑が響くと同時に、基地の自爆シーケンスが作動を始めた。
ピーター「ここの基地は、オイラ、が作った基地だ誰にも崩せない!!」
すると、黒い煙幕に包まれる。
ドルル!ドルル!機関銃の音。ドッ、ドカッ!!
アパッチ「ふん、緩くなったな、ライコウ軍も!」
パッン!薬莢の音が響く。
特殊部隊の頭を銃で撃ち抜くリング。
「ホントに!そう思う!」
ウィーン!!基地が揺れる。ゴゴ〜地響きが基地が地下へ下がり隠れていく。
パキーン!大きな蓋が閉まった。
セロ「なに?消えただと〜探せ!!」
「ふう〜、ピーター居て良かったぜ、話は後だ、急いでマキシマム出すぞ、オクトパスから、機体搬入5分でやれ、野郎共!!ピーターも来い!整備士いなきゃ話にならねぇからな!」
こうして、装甲艦マキシマムに積荷を載せ換え、いざ出発。主砲、「キング・ザ・ハードキャノン」を
盛大に発射しようと試みるアパッチ。
ピーター「アパッチさん、多分5分の力で十分岩盤を突破出来ますよ!」
装甲艦マキシマム主砲が発光する。
マキシマム管轄「エネルギー充填……10……20……30……40……50パーセントです!!」
アパッチ「これより地下から強化突破する!!
行くぞ!ハードキャノン砲発射!!」
キュゥウウウーーーン
ドォォーバ!アーァァンン!!
金星の分厚い地殻が、飴細工のようにドロドロに溶け、弾け飛んだ。
「ハードキャノン」の余波が、地下基地ヴァルカン・ハブを揺らし、立ち上る噴煙を割って銀色の巨躯が姿を現す。
「カカッ! 見ろよ、この加速! やっぱマキシマムは最高だぜ!」
アパッチが操縦席で狂喜の声を上げる。
オクトパスとは比較にならない、重厚なエンジン音。船体全体が震えるその鼓動は、眠れる巨神が目を覚ましたかのようだった。
ついにマキシマムが動き出しました!
あっさりと通してくれたライコウ軍の不気味さが、ゼロの登場で見事に伏線回収されるスリリングな展開。リングの冷静な銃捌きと、アパッチの豪快な操縦が光る回となりましたね。
個人的には、ピーターが作った「誰にも崩せない基地」のギミック
マキシマムの最強の盾(積層装甲)と最強の矛を手に入れた一行。
果たして無事に金星を出られるか?次回も、フル加速で突き進みます!




