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BATTLE SLUG -最強決戦兵器メモリア  作者: 昼間 ネル
第二章 天獄 編

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第14話 銀河大サーカスアパッチョ一座

物語は、いよいよ地球脱出編へと突入します。

前回、命からがら「隠れ街」へと逃げ込んだカイたち一行。しかし、連合軍の包囲網は日増しに厳しくなり、正規のルートで宇宙そらへ上がることはもはや不可能です。

そこでアパッチが提示したあまりに無謀な作戦――それは、オンボロの救助船「オクトパス」をド派手に改造し、指名手配犯の身を隠して『宇宙サーカス団』として検問を突破するというものでした。

不格好なタコ型の船に、スパンコールを纏った少年兵と、ドレスに身を包んだ誇り高き元軍人。

笑いと緊張が交錯する、命がけの「大舞台」がいま幕を開けます。

隠れ街:秘密離着陸場

「隠れ街」の地下、廃棄物処理場のさらに奥底。巨大な円形ハッチが地響きとともに左右に分かれた。


「おいおい、そんなにビビるなってカイ! こいつのエンジン音は、勝利への咆哮だぜ!」


管制委員達が、計器のスイッチを、無数のスイッチを弾くように叩く。モニターに映し出された「オクトパス」の機体各所から、青白いプラズマが噴き出した。派手な塗装を施されたタコのような触手が地面を力強く蹴り、機体は垂直に浮上を開始する。


「それじゃ、行こか!オクトパス全速前進!!」


タコのような形の船が、重力エンジンの轟音と共に、空へ解き放された。



高度 8,000 メートル究。



この時代、宇宙に行けるが、今は戦時中の為、厳しい連合宇宙空港「スカイゲート」をを突破しなければ、宇宙そらへ上がれない。強引に宇宙へ上がろうとすると、観測機動衛星「セブン・スターズ」による、レーザー照射が、放たれ撃沈される。



連合宇宙港第7支部:検問エリア


アパッチ「安心しろ!ここは、第7支部、アイルランド端っこだが、ここは、警備が少し緩い突破出来る!」


空を突き刺すような軌道エレベーターの根元に広がる、巨大な滑走路。そこには地球連合の厳重な監視網が張り巡らされていた。



「おいアパッチさん、本当に大丈夫なの? このタコみたいな船、俺たち、どう見ても怪しすぎるよ!」



鏡の前に立つカイは、自分の姿に愕然としていた。

無骨なパイロットスーツの代わりに纏わされたのは、スパンコールが散りばめられた派手なサーカス団の衣装。


隣では、リングが長い緑の髪を高く結い上げ、踊り子のような艶やかなドレスに身を包んでいる。


「……文句しか無い」

『銀河大サーカス・アパッチョ一座』だ!


『メモリア』も『エリマキ』も扮装させた。いいか、一滴のオイルも漏らすんじゃねえぞ!」


軍用エンジンの重低音を隠すため、艦外スピーカーからは耳を突き抜けるような陽気な音楽が鳴り響いていた。


マキシマムがドッキングベイに滑り込むと、すぐに武装した連合の検門官、数名が乗り込んできた。


「調べさせて頂きます。……旅一座だと? この非常時に、呑気なものだな!」


冷徹な眼光の将校が、リストを片手に船内を歩き回る。


アパッチは、明らかに、ゴツいし、半身機械の格好だが、地球で人気のプロレスラーのお面を被り偽った。


カイは心臓が口から飛び出しそうだった。コンテナの中には、こないだまで戦っていた「エリマキ」と「バルジーナ」「メモリア」が隠されている。

隠れ街の応用で、ホログラム加工を施し隠して、だだのチンドン屋台に偽装している。


「へっへぇ、旦那。暗いニュースばかりじゃ、連合も大変でしょ!」


アパッチが極上の(そして胡散臭い)笑みを浮かべ、高級なラム酒のボトルを差し出す。


「これ、地球の特産品でさぁ。一座の『看板娘』も挨拶したがってますぜ」


アパッチが目配せすると、リングが一歩前へ出た。

無理矢理、笑みを浮かべ、表情を崩さず、優雅に一礼する。その指先には、軍人時代の硬さは微塵もなかった。


「……皆様のご苦労、お察しいたします。どうか、ひと時の休息を」


将校の視線が、リングに留まり、固まるぼど、優雅な姿であった。


厳格層な兵が手に持っている人体スキャナーを、リングに向ける


ピィー。プーワ!プーワ!スキャナーの画面に


WANTEDの文字が浮かんでいる。


「お前、連合の指名手配と一致してるぞ!」


リングの背中に冷たい汗が流れる。将校の手が拳銃ホルスターに伸びた、その時――。


ドス!ドタ!


アパッチが「焦るぜっ!」カイ「ホントに!」


周りの検問官を気絶させた。


「私は緊張すると心拍が上がる体質なの。あんまり怖がらせないでくださる?さぁ、2択だ、このまま、そのしゃくれ顎に風穴開けたいか、心の臓へ打ち込まれたいか?選べ!?」


完璧な演技だった。銃口を突きつけながら、将校はリングの気圧されるような美貌と剣幕に、思わず気圧されたようにスキャナーを収めた。


「……チッ。行け!」


検問所を後に、ハッチが閉まり、オクトパスはゆっくりと加速を開始する。

宇宙港の重力圏を抜け、漆黒の宇宙空間が広がった。

「ふぅ……死ぬかと思った……」


カイは床にへたり込んだ。リングもまた、深くため息をつき、結い上げた髪を解く。



アパッチが操舵室で高らかに笑う。


「カカッ! 連合の連中のツラ拝んだかよ! さあ、野郎共、お遊びはここまでだ!」


その後〜


モニターに映し出されるのは、遠く輝く茶青い星、地球が離れて行く。


スパンコール姿のカイ「……地球綺麗とは言えないけど……綺麗だな…。」


ドレス姿のリング「……まあな。」


「「ハッハッハ!! 」」2人して笑った。


程なくして、オクトパスの警戒アラートが鳴り響く。

ビービービー!

地球圏前方に大量の宇宙怪獣、発生!


何とか無事地球抜けたが、目の前には宇宙怪獣が発生していた……。


その時、格納庫のメモリアの目が、輝いていた。

ご視聴(ご一読)ありがとうございました!

第14話は、これまでのシリアスな逃亡劇から一転、アパッチのハチャメチャなキャラクターが爆発する回となりました。

特に、普段は凛々しいリングが「看板娘」として優雅に振る舞い、ピンチをその美貌(と少しの脅し)で切り抜けるシーンは、彼女の新しい一面が見られたのではないでしょうか。カイの慣れない女装(?)ならぬサーカス衣装姿も、戦時中の緊迫した空気の中では数少ない癒やしの瞬間でした。

しかし、ようやく抜けた地球の重力。安堵した二人の目に映ったのは、美しき故郷の姿と……それを飲み込もうとする「宇宙怪獣」の群れ。

そして、格納庫で静かに瞳を輝かせたメモリア。彼女は何を感じ、何を見ているのか?

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