第9話 月夜のフルーツパーラー
静寂を切り裂く轟音。
突如として荒野に姿を現した宇宙怪獣の群れが、カイとリングを包囲する。
絶体絶命の危機に、重装機バルジーナと未知の機体メモリアが、初めての共闘に挑む。
しかし、天頂に輝く「満月」が、戦場にさらなる絶望を呼び寄せた。
三体の怪獣が一つに溶け合うとき、上級怪獣「アルヴィト」がその姿を現す。
激化する攻防の中で、カイの耳に届いたのは、記憶の底に眠る「あの少女」の悲鳴だった――。
「カイ……助けて……!」
今、最強決戦兵器の真価が、月光の下で解き放たれる。
だが、それは救済の光か、それとも破滅の産声か。
ようやく怪獣を倒したかと思っていた矢先。
再生する怪獣の肉体。背中を見せるメモリアに迫る影が!
一瞬の静寂……
「危ない!」バルジーナが、メモリアの所まで疾走し、ヴォイト攻撃を受け、激しく吹き飛んだ。
横たわるバルジーナ その時、「……赦さない…」カイに少女の声が聞こえた。するとメモリアは突如、激しい赤光に包まれた。
その時メモリアのコア(ユナ)の鼓動がこれまでにない、熱い躍動が起きていた。
「……カイ……あの人……うぁぁぁー!」
「止めろ!そんな事したら!」 プープープー!
機体が警戒音を発し始めると、 機体のコントロールを受け付けなくなっていた。
「あれ、コントロールが効かない!」焦るカイ。
どうするんだメモリア!」
すると銀色光に包まれたメモリアは超加速。
あっという間に、宇宙怪獣アルヴァイトの面前までいくと 脚部から出したビームブレードを両手に取り、一瞬で、刀身からの衝撃波と共に、肉体を切り刻みバラバラの肉塊の中の光輝く核を見つけた。
ブーン、ブーン!!シャシャシャ!!
「おい、メモリアどうするつもりだ!」焦るカイの予感が漆黒の夜空のような虚しさだけが漂っていた。 メモリアは野獣のように核を手に取り
ガッッシャャン!!
何かが開く音。核を口元に…食べ始めた。
バリバリ、むしゃむしゃ、グチャグチャ、むしゃむしゃ……。
それは、大好きな果物を貪り食う様で口の周りは、血液みたいな、真紫色の液体が口の周りを汚していた。
コックピットで、初めて恐怖を味わうカイ。余りのグロテスクな光景に、嗚咽交じりの涙が溢れる。
横たわるバルジーナでその光景を見守るリング。
カイ「……やめてくれ!!これがユナって子なのか?…ちくしょう……。」
カイは自分の無力差に悔しい涙がこぼれた。
リング「まさか…核を食べてるの…?」
綺麗に食べ終えたメモリアは、満足したのか、光を失い、元の状態に戻る。
メモリアのコックピット内で、警報音
ビービービー!!「今度はなんだ……?」
これより、セフティーモード発動します。
メモリアはそのまま静かに、眠りについたのだった。
「うそだろ〜!動け、動け!」
カイの必死の呼びかけも虚しく砂漠に落下したメモリア……。
リング「ちょっと、なんで、落ちるだ?」
衝撃的な展開に静まり返る、戦場跡、 荒野に残された2人が見た未来の行方は……。
第8話「月下の戦い」をご愛読いただきありがとうございます!
いかがでしたでしょうか……。
メモリアの秘められた力、そして「捕食」というあまりにも残酷で生々しい覚醒。
銀色の美しい機体が、宇宙怪獣の核を果物のように貪り食う姿に、パイロットであるカイ自身も、そして読者の皆様も戦慄したのではないでしょうか。
「これがユナなのか?」と問いかけ、嗚咽するカイ。
「救世主」だと思っていた存在が、実は「抗いようのない怪物」だったのかもしれないという不穏な予感を残し、物語はさらに深い謎へと沈んでいきます。




