表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇ガチャ、異世界を席巻する  作者: 白井木蓮


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/83

第六十七話 勇者来場

 昨日と同じく護衛を引き連れてプリン王女がやってきた。

 やっぱり来たか。

 ……ん?

 護衛の数が昨日より多いな。

 あれは冒険者か?


 ガチャ屋を通りすぎ、飲食エリアまでやってきた。

 そして開いてるテーブルを一つ確保。

 隣のテーブルに座っていた冒険者たちを権力を行使してどかせる。

 もちろん冒険者たちはビビって席を譲る。

 王女らしいやり方だ。


 いっしょに来た冒険者たちは中級ガチャ前でなにか話し合っている。

 商品の品定めといったところか。


 王女のテーブルから注文が入ったようだ。

 ……こんなに?

 隣のテーブルの分もあるのかもしれない。

 おそらくあの冒険者たちが座るのであろう。


「レファさんから伝言です」

「わっ!」

「どうしました!?」


 急に俺の足元から声がした。

 下を見ると極メタスラーのメラがいた。

 俺の前には当然のようにティラミス王女が居座っている。


「手を切りそうになったもので……失礼しました」

「大丈夫なんですか!? 回復魔法いります!?」

「いえ……お気遣いありがとうございます」


 アイリも何事かと思って近付いてくる。

 俺はメラに視線を落とした。


「勇者が来たそうです」

「えっ!?」

「やっぱりケガしてるんですか!?」


 俺とアイリは二人して声を出してしまった。

 メラの姿はもうない。

 速いな。


「いえ、少し足が滑りました。床が油で滑りやすくなってまして」

「掃除はきちんとしないとダメですよ? 私がやりましょうか?」

「今日は肉の注文も多いものですから。アイリ、頼む」


 アイリは床を拭くフリだけしてすぐ仕事に戻った。


「私もアイリさんみたいに働きたいなぁ~」

「……」


 なにか言ってるが無視だ。

 暇なのかちょくちょくそういった発言をしてくるからな。


 それより勇者だ。

 ここに来てるだって?

 どれだ?

 確か十七歳の女だったよな。

 そして上級者二人が仲間……


 こいつか。

 プリン王女といっしょに来た冒険者だな。

 若い女性に二人のベテラン風の冒険者とあと魔道士っぽいのが一人。


 ガチャ屋を見終わったのか、プリン王女が待つテーブルに行く。

 いつのまにか隣のテーブルとくっついている。

 座るのは王女と冒険者たちだけで護衛の騎士たちは立ったままだ。


 護衛だからこれが普通だよな?

 ガナッシュ王国の騎士と魔道士は護衛する気があったのか?

 まぁ風通しがいいことはわかるけどな。


 プリン王女が接待する感じなのか?

 冒険者四人は横一列に座っている。

 周りのテーブルにいる冒険者たちがざわめいているな。


「順調なの?」

「はい。中級レベルの敵相手に経験を積ませています」

「そう。早く上級レベルにしなさい」

「それは無茶だって。勇者様はまだ剣を持って数か月なんだぜ?」

「それをどうにかするためにあなたたちを仲間にしたんでしょ」

「ですがやはりまだ時間は必要かと」

「まぁいいわ。で、ガチャはどうだった?」

「本物なんですかね? あのレベルの武器が金で手に入るとは思えませんが」

「ここのオーナーがコレクターだとふんでるわ」

「でもコレクターならなぜその大切な武器をガチャとやらに?」

「お遊びでしょ。暇な金持ちの年寄りがやりそうなことよ」


 この野郎……誰が年寄りだって?

 それに金持ちでもないし暇でもないしお遊びなんかでもない。

 こっちも生活するために必死なんだぞ。

 ワサビ大量につけてやろうか。

 だが料理はちょうどできあがったばかりだ。

 アイリとスライムたちはそれを運んでいく。


「さぁ食べてちょうだい。追加も自由にしてくれて構わないわ」

「寿司やん! こっちで寿司なんて初めて見たで!」

「私は初めてなんだけど美味しいの?」

「当たり前やん! 寿司が嫌いなにほ……人なんておらんやろ!」

「そんなになの? ならいただいてみようかしら」

「……美味いな! やっぱ寿司やで!」

「……うん。確かに美味しいわね」


 やっと勇者が口を開いたかと思ったら……。

 転移者でまず間違いないだろう。

 しかも関西人か。


 この世界にも方言とかあったりするのかな。

 言語が違う国もあったりするのか?

 今言葉が通じてるのはたまたまかもしれない。

 それに俺が話している言葉が元の世界の言葉とも限らないか。


「大将!? やっぱり痛むんじゃないですか?」

「ん?」


 ……手がとまっていたか。


 勇者が転移者だとわかって色々考えてしまった。

 この勇者はなんのために転移してきたんだろう?

 アイリと同じように勇者を希望してたのか?

 それとも俺のように偶然巻き込まれたのか?

 魔王を倒してその後はどうなる?

 勇者としてこの世界で一生暮らしていくのか?

 自分がなんなのかがわからなくなるな。


「ご心配おかけしました。これどうぞ」

「ウナギじゃないですか! ありがとうございます!」


 いい食べっぷりだ。

 今では王女は出されたものを遠慮することなくすぐに食べる。


 昔はよくウナギを食べに行ってたなぁ。

 アイリも好きみたいだし、この後の賄はウナ丼にしようか。


「ヤマト、聞いてた?」

「あぁ。以前決めたようにスルーでいいだろ」

「そうね。今はまだなにもできないだろうし」


 まるで勇者がそのうちなにかしてくるみたいな言い方じゃないか。

 地下二階に行かれない限りその心配はないだろう。

 ミアが仲間にした極スライム軍団が昼夜問わず見張ってくれるしな。

 一階と地下一階の入り口以外からは入りようがないし。


「どんどん寿司注文するで!」

「あなた、その話し方どうにかならないの?」


 あの王女ですら手を焼いている。

 この調子なら懸念だけで終わりそうだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ