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闇ガチャ、異世界を席巻する  作者: 白井木蓮


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第四十一話 魔物使いたち

「初めまして。オーナーのヤマトと申します」

「あらあら、いい男じゃないか」

「おばあちゃん! まずは挨拶してよ!」

「ったく急かすんじゃないよ」

「ヤマトさん、こちらはクレアさん、そしてこちらが孫のミアちゃんです」


 ジャスミンが紹介してくれる。

 一人はおばあさんだ。

 そしてもう一人は……


「お話するのは初めてですよね? ミアです。よろしくお願いします」


 ……間違いない。

 ジャスミンの知り合いの子だ。

 いつもサクラ役をやってくれてる。


「いつもお世話になってます」

「こちらこそ! 私もお寿司食べれて嬉しいです!」


 この様子だと寿司屋とガチャ屋が繋がっていることは知っていたのか?

 それとも今知ったのか?


 孫ってことは付き添いで来たんだよな。

 このおばあさんが魔物使いであることは間違いなさそうだ。


「わざわざご足労いただきありがとうございます」

「おや? 何人も女をはべらせてる道楽者かと思いきや丁寧な子だね」


 ジャスミンとドーラはなにを吹き込んでるんだ?

 あとで覚えとけよ。


「すみません、少し外に出ていたものでお待たせしてしまって」

「いいんだよ。それより面白そうな話になってるじゃないか」


 面白そうと思ってくれたのか。

 でもさすがにおばあさんを夜遅くには働かせられない。

 名義貸しだけでもしてもらえるようにしなければ。


 再度俺の口から計画を説明した。

 まだ言ってはいけないことは省いてな。


「それならワシたちがピッタリだね」

「ぜひお力をお貸しいただきたいのですが」

「いいよ。ちょうど暇を持て余してたしね」

「本当ですか? ありがとうございます」


 あっさり話はまとまったようだ。

 話のわかるおばあさんで助かった。

 でもさすがに長時間は厳しそうだよな。


「でも覚悟はあるんだろうね?」

「覚悟……ですか?」

「ワシたちといっしょにいると目を付けられるかもしれないよ?」


 やはり魔物使いだからか。

 ここまできたら気にしても仕方ないしな。

 黒じゃなくてグレーだからなんとでも言い訳はできそうだし。


「俺はなにも気にしませんが、クレアさんが気になるなら無理にとは言いません」

「……そうかい。若いのに肝が据わっておるな」


 若くないです。

 三十のおっさんです。


「ミア、あんたはどうする?」

「私は……」


 ん?

 ミアさんも付き添いで働いてくれるっていうのか?

 確かにそのほうが俺としても安心だが。


「クレアさんもこう言ってますし、ここの方はみなさんいい人ばかりですよ?」

「そうだぜミア! 旦那の作る飯は最高だぜ!」

「それはわかってますが、やはりあの子たちが心配ですし……」


 あの子たち?

 幼い兄弟の面倒を見ないといけないのか?

 もしかしてミアさんの両親は亡くなってるのか?


「ミアちゃん、ヤマトさんに話してもいいですか?」

「……はい」


 重い話になるんじゃないだろうな?


「実はミアちゃんとドーラちゃんと私の三人はパーティを組んでたんです」


 なるほど。

 だからこんなに仲がいいのか。

 それに一番最初ガチャ屋で爆死させた後の落ち込み様も納得だ。

 あのときは元パーティといえど仲間に亀裂が入るところだったのか。

 ……なんか悪いことした気分になってきたぞ。


「私たち三人は種族は違えどある意味似た者同士でしたから」


 エルフとドワーフはわかるがなんで人間のミアさんが似た者同士?

 …………もしかしてこの子も魔物使いなのか?


「魔物使いは人間であってもエルフやドワーフ、さらには魔族に近い存在と思われてるんです」


 やはり魔物使いなのか!?

 希少な魔物使いがここに二人もいるなんてすげぇ!


「当然町中でモンスターを連れて歩くことはできません」


 仲間モンスターは町中に入れるって言ってたよな?

 人の目を気にしてってことか。


「ミアちゃんはモンスターたちが可愛くて仕方ないのに」


 うんうん、俺も仲間モンスターを集めるのが好きだったな。

 延々と同じモンスターを狩り続けるんだ。

 仲間になる確率低すぎなんだよあれ。


「それでも私たちは冒険者として旅を続けていました」

「……」

「でもミアちゃんはそんな冒険者としての自分に疑問を持ってしまったんです」

「……」

「モンスター同士を戦わせてるんですからね」


 ペットのような可愛いモンスターが戦うのは見たくないか。

 でもそれが魔物使いの戦い方なんだから仕方ないと思うが。


「そしてミアちゃんは冒険者をやめました。パーティも解散です」


 ……少し重いかも。

 少なくとも笑い話じゃないよな。


「まぁクレアさんがお年だってこともありましたが」


 どう関係あるんだよ?

 まだ介護が必要そうには見えないぞ?


「今はクレアさんといっしょにモンスター牧場の管理をしています」

「モンスター牧場!?」


 おっと、思わず声が出てしまった。

 なんだよその楽しそうな牧場は?

 アイリを見てみろよ?

 格闘場以上にワクワクしてるぞ……。


「はい。ミアちゃんはモンスターたちのお世話係なんです」


 幼い兄弟じゃなくてモンスターの世話のことだったのか。

 確かに二人ともここで働くとその間は誰もいなくなるな。

 というか二人しかいないのか?

 それなら今はどうしてるんだ?


「その牧場はどこにあるんだ?」

「この町を出て一時間ほど歩いた丘の上にあります」


 遠いな。

 その距離をクレアさんはわざわざ来てくれたのか……。

 凄く申し訳ない。


 ……ミアさんがサクラやってくれてるときなんか夜だぞ?

 真っ暗なのに町の外を帰っていってたのか。


「ヤマトさん、お二人は魔物使いですから」

「ん?」

「魔物に乗って移動しますから速いですよ」

「えっ!? 乗れるの!?」


 魔物使いすげぇ!

 狼みたいな魔物だろうか?

 またアイリの目が輝いてるぞ。


「いや、すまん」

「……だからミアちゃんはモンスターたちを放ってここには来れないんです」

「その牧場は町の外扱いなのか?」

「はい」

「なら問題ないな」

「はい。そう言ってくれると思ってました」


 もう言っても大丈夫だろう。

 ジャスミンは二人に地下二階のこと、転移魔法陣のことを説明する。


 魔物使いといえどさすがに驚いてるようだな。

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