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闇ガチャ、異世界を席巻する  作者: 白井木蓮


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第三十二話 新人歓迎会

 ドーラは建築が得意なだけあって交換所用のカウンターや棚はサクッと作ってしまった。

 交換所に関してはあとは店内に設置するだけなので明日からでも運用できそうだ。


 交換所のカウンター横には交換可能商品を見本のような形で棚に並べることにした。

 カウンター裏には隣の部屋である商品保管倉庫と行き来できるドアを設置する予定だ。

 これくらいなら神様にお願いすればすぐにでもやってくれるだろうからな。

 そこにはガチャ用の宝箱もいっぱいあるからついでに結界も張ってくれると嬉しい。


 ドーラの手伝いがあればアイリのガチャレーン作成も捗りそうだな。

 やはり新ガチャと交換所は同時のほうがいいか。


「お疲れ~。ご飯にしようか」

「飯か! やったぜ!」

「ジャスミンは片付け中か? 終わったらいっしょに地下二階に来てくれ」

「おう!」


 俺は先に地下二階に行くことにする。

 既に料理は運んである。


「ねぇ、なんだかいつもより豪華じゃない? いつもこうしなさいよ」

「今日は新人の歓迎会も兼ねてるからな」

「噂のドワーフね。気にいらない奴だったら消滅させてあげるわ」


 レファといいリリアンヌといい、すぐに消そうとしたがるな。

 愛情の裏返しってやつか?


「地下二階に来るのは初めてだぜ!」

「行儀よくお願いしますね」


 ドーラとジャスミンが来たようだ。

 他のみんなは着席している。


 最近になってマドラーナやベルネッタもいっしょに食べるようになった。

 それまではモンスターの食事情を理解してなかったからな。

 俺が勝手に俺たちと同じものを食べないと思い込んでいたせいもあったが。


 どうやらボスモンスターレベルは人間や魔族と同じように食事をするらしい。

 それが一種のステータスにもなるんだとさ。

 そもそも冒険者たちから金や物を奪っているのはそれが主な理由とのこと。

 魔族の町では普通にボスモンスターが食事をしてたりするそうだ。


 ウチに来るような雑魚ボスは町には行けないらしいけどな。

 だから野生の動物や木になってる果物を食べるんだと。

 まぁそのおかげでウチで金を使ってくれるんだけどな。


 この世界ではモンスターは倒されると金を落とす。

 ゲームの世界と同じようにな。

 最弱のスライムでも銅貨一枚は確実に落とすんだ。

 強いモンスターだと銀貨を落としたりもするらしい。


 だがボスモンスターが味方であるモンスターを倒すことはできない。

 つまり金が欲しければ冒険者から奪うしかないわけだ。

 俺が雑魚モンスターをわざと倒させろって言ったのはこういう背景がある。

 冒険者は雑魚モンスターでレベル上げや金稼ぎをする生き物だからな。


 すっかり話が逸れたが、マドラーナやベルネッタも俺が作る食事を美味しいと言ってくれる。


「え……ジャスミン……」

「大丈夫ですから。みなさん優しい方々です」


 ドーラはテーブルに座る面々を見た途端にジャスミンの後ろに隠れた。

 アイリとレファ以外の三人とは初対面だからな。

 これが普通の反応なんだろう。

 ジャスミンも最初はそうだったしな。


 でもこうやってドーラを見るとジャスミンの子供みたいで可愛いな。

 子供じゃなくて姉妹って言っとかないと怒られるか。


「あら、可愛いですね」

「ドワーフも敵じゃなければもっと仕事も頼めますのにね」


 マドラーナとベルネッタの二人が揃うと大人のお姉さん方って感じだ。

 こういう落ち着いた雰囲気の女性もいいよな。


「ちょっと、早く座りなさいよ」

「お、おう!」


 リリアンヌの一言に慌てて着席するドーラ。

 一目見てあと一人の魔王級の魔族というのがリリアンヌのことだとわかったようだ。


「揃ったな。今日はドーラの歓迎会だ」

「挨拶とかはいいから早く食べさせなさいよ」

「そうだな。温かいうちに食べてくれ」


 みんないっせいに食べはじめる。

 俺とアイリ以外はいただきますの習慣がないからな。


「ドーラ、遠慮なく食べてくれよ」

「あ、あぁ」


 テーブルの上には寿司、ローストビーフ、唐揚げ、パスタ、サラダが並んでいる。

 パーティメニューっぽくしてみたんだ。

 俺以外全員女性だからサラダは好きそうだしな。

 ……と思ったらサラダはあまり人気ないな。

 ウチにいるのは肉食系女子ばかりのようだ。

 色んな意味でな。


「唐揚げ美味いな! このローストビーフってやつも美味い」


 ようやく本調子になってきたか?


「あなた、なかなか食べっぷりがいいじゃない」

「だって美味いんだから当たり前だろ!」

「もっと食べなさい。そしたらもっと色々作ってくれるから」

「おう!」


 リリアンヌも優しいじゃないか。

 きっと事前にジャスミンから話は聞いていたんだろうな。

 ドーラの言葉遣いにもなにも文句はないようだ。


「そうだ、マドラーナ。レファから聞いたか?」

「はい。鍛冶の件ですね。承知いたしました」

「悪いな。世話になったって伝えてくれ」


 買取を始めてからずっと修理を頼んできた鍛冶屋だからな。

 マドラーナには損な役回りを任せることになってしまった。


「お気になさらずに。あちらも願ったり叶ったりかもしれませんし」


 レファの名前を使って格安でしてもらってるらしいからな。

 それも結構な数をだ。

 断れないってのはツラいよな。

 だから結果的には良かったのかもしれないのか。


 その後もそれなりに話は弾み、何事もなくドーラの歓迎会は終了した。

 俺も含めみんな出会って一日目だけどな。

 ジャスミンのときもそうだが急展開すぎないか?


 でもそれを言ったらアイリもレファも出会ってすぐにいっしょに住むようになってるしな。

 女性だからいいけど、さすがに男とは住みたくない。

 俺以外は大賛成するかもしれないが……。


 そうならないようにたまには神様に祈っておこう。

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