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闇ガチャ、異世界を席巻する  作者: 白井木蓮


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第二十七話 新パック発売

 闇ガチャ屋の新パック発売日。

 開店直後からガチャ前にボスモンスターの列ができていた。


「数はたくさんご用意してますから急がなくても大丈夫ですよ!」


 リリアンヌの下僕である案内係のベルネッタが声を張っていた。

 ボスたちはベルネッタにしっかり従っている。

 その妖艶な魅力にうっとりしているのかもしれない。


「新パックはスライムパックⅡだってよ!」

「おぉ! 目玉はメタスラーだぞ!」

「ぜひ当てたいぜ!」

「ヒールスライムも出るみたいだぞ!」

「なにっ!? 回復役は是が非でも欲しいな!」

「でも銀貨十枚か~、高いな」

「安いだろ! どっちにしてもお前には当たらねーよ!」

「なんだと!? お前みたいに配下にだけ厳しい奴こそ当たるわけがねぇ!」

「やんのか!?」

「やってやんよ!」

「お二人とも、死にたいんですか?」


 ベルネッタの一言でボスたちは静かになった。

 血の気が多いのはいいことだな。


 俺はいつも通り寿司を握りながらその様子を見ていた。

 闇ガチャ屋は新パック発売とあって大盛況のようだ。


 それに今日は今まで見たことないボスが並んでいる。

 新パックに合わせて対象ボスのレベルも少しあげたようだな。

 日頃の営業活動はマドラーナとベルネッタの仕事だ。


 ガチャレーンは新しく一つ追加されることになった。

 一つのガチャでも複数のパック対応はできるのだが、それだと混雑することが予想されたためだ。

 嬉しい悲鳴ってやつだな。

 それに伴い、レーンとレーンの間は天井までの壁で仕切り、演出もそのレーン上でのみ発生させるようにした。

 今までは部屋全体に対して演出を行っていたからな。


 今回の目玉商品はもちろんメタスラーだ。

 だが当たる確率は三%。

 三十連で一体当たればいいほうだ。


 他にもヒールスライム、アイススライム、ファイアスライム、サンダースライム、ウインドスライムの五体が新登場。

 ヒールスライムは七%、他の四体は各二十%の確率で当たる。

 残りの十%はワンランク下の雑魚スライムたちを入れてある。


 新パックは銀貨十枚だからなかなか手が出ないかもしれないとも思ったがそうではないようだ。


 持ち込んでくる装備品も少しはいい物がありそうだ。

 ボスのレベルが上がるとそこに来る冒険者のレベルも上がるからか。

 買取を担当してるマドラーナも忙しそうだな。


 買取資金は今まで闇ガチャ屋で稼いだ金を使っている。

 だから買い取った商品をさばかないことには利益が出てこない。

 もちろんその前に金が尽きれば買取はできなくなるが。

 つまり上のガチャ屋が繁盛してくれないと永遠に商品だけが増え続けるわけだ。


「見ろ! 虹卵だ!」

「うぉぉぉ!」


 虹卵は初実装だ。

 今までのスライムパックとゴブリンパックは白い卵に少し色や模様がついた程度だった。

 そこまでの目玉モンスターがいなかったからだ。


「メタスラーきたー! やったぜ!」

「いいなぁ! 二十個で当たれば儲けもんじゃないか!」


 確率は公表していないからな。

 そこは闇のままでいいだろう。


「よし! ヒールスライムもゲットだ!」

「運良すぎじゃないか? 俺はアイススライム狙いだ!」


 ほう、配下は氷属性のモンスターで編成してるのか?

 まだまだ寒いから冒険者からしたらアイススライムはやっかいだろうな。


 そういやモンスターのトレードとかはできるのか?

 できるんならメタスラーはレートが高かったりするんだろうな。


「メタスラーいいなぁ」

「あぁ。早く俺もスライムパックⅡガチャりたいぜ」


 雑魚ボスたちが羨ましそうにしてる。

 こいつらにとって銀貨十枚はキツイだろう。

 銀貨三枚のスライムパックなら三回引けるからな。


 他の新パックも考えようか。

 できれば月に二回は新パックを出していきたい。


 でもあまりレファばかりに負担をかけないようにしないとな。

 色んな種類のパックがあれば嬉しいだろうが管理が大変だ。

 アイリの技術もどこまで対応できるかわからないしな。

 人気のないパックは外していくのが無難か。


「ベルネッタ様! こっちのガチャも新しいモンスター追加してもらえませんか!?」


 先に言われてしまったか。

 やはり同じモンスターばかりだと戦術も限られるからな。

 というより単に新しいガチャが引きたくなっただけだろうな。


「私にそんなこと決める権利はありません」

「えぇ~そんなぁ。リリアンヌ様にはこわくてとても言えませんよ……」

「仕方ないですね。一応話はしてみますが期待はしないでください」

「本当ですか!? ありがとうございます!」


 リリアンヌは部屋の隅で退屈そうに眺めている。

 さすがに疲れているのかもしれない。

 昼間は魔王城で仕事だからな。

 たまには甘い物でも作ってやるか。


 まぁ闇ガチャ屋はなにも問題はない。

 客からの要望も出てるくらいだから当分はガチャってくれるだろう。


 問題なのはガチャ屋だ。

 チラシを貼った直後こそ客は来ていたが、以降は鳴かず飛ばずの状態だ。


 こないだの王様御一行みたいに百連してくれる客なんてそうはいないからな。

 一度問題点を洗い出してみるか。

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