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闇ガチャ、異世界を席巻する  作者: 白井木蓮


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第十九話 異世界の理

「モンスターたちはどうやって来てるんだ?」

「魔王城近くの森の中にここに繋がる転移魔法陣を用意してるんです」

「一つだけか?」

「はい。そこまでは別の転移魔法陣でやってきます」

「なるほどな。で、営業時間中だけ転移可能にしてるわけか」


 俺はそのあたりのことを今まで全然知らなかった。

 完全にマドラーナに任せっきりだったからな。


 この質問もジャスミンが気にしていたから聞いただけだ。

 ジャスミンは地下二階をこわがっているからな。

 こわがっているといってもここに来るボスモンスターやガチャ産のモンスターにではない。


「明日と明後日はお休みでいいんですよね?」

「あぁ、レファにも休んでもらうからマドラーナも好きにしてくれ」

「わかりました」


 そう、ジャスミンはマドラーナをこわがっているのだ。

 当然と言えば当然なんだけどな。


 マドラーナはラスボス近くに出てくる中ボスみたいな感じなんだろうか。

 それにレファはともかく、リリアンヌもいるからな。

 元冒険者だったジャスミンにとっては地獄みたいなものなのかもしれない。


 ただ、マドラーナは地下二階から上がってくることはできない。

 これもきっと設定なんだろう。


「闇ガチャ屋の評判はどうだ?」

「かなりいいです。人間たちを襲う気力が高まってます」

「……」


 心がズキズキ痛む。


 いや、これはゲームなんだ。

 魔物たちは配下となるモンスターが欲しいから人間を襲ってるだけなんだ。

 ただ金を奪ったり身ぐるみ剥いだりしたいだけなんだ。


「……殺したりはしてないだろうな?」

「それは大丈夫です。結果的に今後の不利益に繋がることは言い聞かせてますから」


 それなら良かった。

 中には理性を保てないモンスターもいるだろうから心配には変わりないが。


 でも魔族やモンスターからしたら人間たちを滅ぼせば安心なんじゃないのか?

 もう誰も自分たちを殺せないんだから。


 ……いや、自分たちより弱い冒険者が何回来ようがカモとしか思わないのか。

 ボスモンスターからしたら自分の配下を増やすチャンスだ。


「冒険者はモンスターを殺してるのにそのことについては疑問に思わないのか?」

「ほとんどのモンスターには悲しみといった感情はありませんから」

「感情がない?」

「はい」


 ほとんどのモンスターか。

 一部は感情を持ってるモンスターもいるってことだよな。

 そこらへんを見極めることが今後闇ガチャ屋として重要になるかもしれない。


「それにモンスターは使い捨てといったイメージもあります」

「……それは言葉がわかるようなボスモンスターに共通する考えなのか?」

「はい。私たちからしたらここに来るようなボスモンスターも使い捨てにすぎません」


 上手くピラミッド構想が出来上がっているというわけか。

 その頂点に近いところにレファやリリアンヌ、マドラーナがいるんだよな。


 でも人間側もおそらく同じようなものだろうな。

 どこかにいるであろう一番偉い王様からしたら人間全員が使い捨てなんだろう。

 モンスター側と違うのはすぐには生成不可能だということだ。


 やはりこの世界は勇者の存在が鍵となりそうだな。

 でも闇ガチャ屋のことが知られると俺は勇者に殺されることになるかもしれないのか。


 あとイレギュラーなのはエルフやドワーフたちの存在だ。

 エルフだけの国やドワーフの国もあったりするのかもしれない。


 まだまだ知らないことが多すぎるな。


「ねぇ、寿司屋の中見せなさいよ」


 リリアンヌはこの前レファと喧嘩した後も毎日来てくれている。

 というよりも毎日喧嘩してるようにも見える。


「ダメ。ご飯食べたんなら早く帰りなさい」

「姉様のケチ! 明日と明後日は来ないからね!」


 いつものように喧嘩別れのような感じで帰っていった。

 明日から二日間は定休日だから来なくて当たり前だ。

 どうやらその次の日は来てくれるらしい。


 なんだかんだ優しい子なのかもしれない。

 無理に階段を上がっていこうとしたことはないからな。

 自分が上に行ってはいけないことはわかってるんだろう。

 そもそもマドラーナと同じように結界で弾かれる気もするが。


「じゃあいつものように鍛冶屋に頼んどいてくれ」

「わかりました。では私もこれで」


 こちらもいつものようにレファの転移魔法陣によって帰っていった。


「マドラーナはどこに帰ってるんだ?」

「魔王城に部屋がある。大部屋だけど」


 マドラーナでも個室は与えてもらえないのか。

 レファの側近といえどモンスターだからか?

 やはり魔族が幅を利かせてるんだろうか。


「なぁ、ここにマドラーナの部屋を作ろうか?」

「ここって地下二階にってこと? 広くできるの?」

「たぶんだけど。知り合いに頼んでみるよ」

「嬉しい。マドラーナもきっと喜んでくれる。ありがとうヤマト」


 レファは素直なところが可愛いな。

 こんな子が魔王なら人間たちとの争いも起きないと思う。


 だがそれも神様が性格をいじったせいでそう感じてるだけかもしれない。

 本当のレファはどんな子だったんだろう。

 もしかするとマドラーナやリリアンヌも性格が変わってる可能性もあるな。

 もちろんいじられたと決まったわけではないが。


 異世界に転移したとき以来、神様には会っていない。

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