第5話
あの実習をもう一回受ける辛さと天川さんが隣にいるという嬉しさ…どちらを取ろう…
しばらく悩んだが、
「…わかった。一緒に受ける」
俺は天川さんと一緒にいるほうを取った。
実習は慣れればそんなに辛くないしね
「ほんと!良かった。一人じゃ不安だったんだ。何か明日までに用意しておくことってある?」
用意しておくことか……
「取りあえずしっかり寝て、血を見ても倒れないようにしといて」
「わかった!…え?血!」
「うん。普通に手術をみるから」
「…ムリ」
天川さんはさっきの気合いはどこやらすっかり青ざめた顔で言った。
「う~ん…でも見ないと」
「血はどうしても見れない…」
よく見ると唇も青黒くなって微かに震えている。
チアノーゼが出ている。相当なトラウマがあるんだな…言っておこう。
「わかった。イヤな思い出を思い出したんだな。どこまでならいける?」
「ごめんね。血を見ないなら大丈夫。気を配ってくれてありがとう」
天川さんは頭を下げた。それに伴って動いた髪からミントのようないい香りがする。
女の子ってすごい良い匂いがするのが謎なんだよな…
次の日、保健の先生に連れられて病院に向かった。
「よお!今期も来たか、で、隣にいるのはお前の彼女か?」
初っ端からハイテンションなこの男性は深井仁。俺の兄貴だ。病院の医者をしている。
「ちゃうって。まっよろ」
「りょか。で、この子は?」
兄貴が天川さんを指差しながら聞いた。
俺たちのハイテンションに戸惑っていた天川さんは少し慌てながらも答えた。
「あ、こんにちは。天川凛です。深井君とはクラスメートです」
「俺は深井仁。こいつの兄だ。よろ。じゃあ、恐怖の実習を開始するか」
そういって兄貴は二台のPHSを出した。
「医療用のやつだ。明日の朝まで肌身はなさず持っておけ。回診をする」
それだけいうと実習が終わるまで何も話さなかった。実習ではいつも通り、応急処置を中心にさせられた。
翌朝、俺たちはヘトヘトになっていた。
「やっぱり死ぬな、これは…」
「うん…眠たいです」
天川さんなんて今にも寝そうな勢いだ。
「明日は休みだから、もう少し頑張って」
「休みたいけど休めない…」
俺たちは何とかして学校までたどり着いた。授業を寝ながら受けて家に帰ることができた。家に帰ると俺はスマホであのアプリを起動させた。SD天川さんが表示された。
めっちゃ可愛い…
しばらく眺めていると、現実の天川さんより可愛く見えてきてしまった。天川さんにはフラれたもんな…でも二次元なら絶対ふられることない…
俺はそう自分が思っていることに驚いた。
どうやら…俺は二次元に恋心を抱いてしまったようだ。
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ミント☆です
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