第70話
「クソっ……なんだったんだ、あいつ……」
光の粒子が収束し、佐助の身体が自陣の転送地点に再構築される。
「アースの奴、残して来たけど……大丈夫か?」
悔しさを滲ませ、拳を握る。
──
「佐助さん……」
「君、さっきの人にアースって呼ばれてたかい?」
「そうだ!」
アースは顔を上げる。
「佐助さんの仇取らせて貰うよ!」
「やあっ!」
アースの剣が振り下ろされる。
――ガキンッ!
蒼い光を纏った槍が、それを受け止めた。
火花が散る。
「僕の名はロラン。君と会いたかったよ、アースくん」
「えっ?」
戸惑うアース。
ロランはわずかに目を細める。
「いや、何でもない……気にしないで……。行くよ!」
ロランが槍を構える。
「やあー!」
アースが踏み込み、剣を横薙ぎに振るう。
ロランは半歩退き、槍の連突きを繰り出す。
キィン、キィン、キィン!
互いに譲らぬ応酬。
一瞬の隙も許されない。
⸻
「ハア……ハア……ブランクはキツいですね……」
別の戦場。
クライガーが巨大な剣を振り抜く。
「はあー……!」
ズバッ!
一人、また一人と敵を倒していくが、数は減らない。
「こっちに居るぞ!」
「さっきレガリア陣営で見た奴だ!」
包囲が狭まる。
それは、別の場所でも同じだった。
⸻
「あっ、見つかった……!」
ラビィの視界に、四人のプレイヤー。
武器を構え、一斉に迫る。
「っ……!」
逃げる。
木々の間を縫うように駆ける。
だが――
ドン!
「痛っ!」
背中に衝撃。
「痛っいなー!だれ〜?」
振り向くと、地面に倒れたユイの姿があった。
「ユイちゃん!ご、ごめん!」
「……あっ、ラビィ!奇遇だね」
土を払いながら立ち上がるユイ。
「私、今たくさんの人たちに追われちゃって困ってたの」
ユイは柔らかく微笑んだ。
ラビィも苦笑する。
「ユイちゃん……実は私も」
互いに背後をちらりと確認する。
迫る足音。
「そりゃあ、困ったね〜」
ユイが、ニヤリと笑い弓を構える。
同時に、ラビィも腰からナイフを抜いた。
刃が陽光を反射する。
「じゃあ」
ユイが弦を引く。
「まとめて片付けちゃおっか」
ラビィが構える。
戦場の空気が、一段と張り詰めた。
ビュッ!ビュッ!
ユイの矢がラビィを追って来たプレイヤーたちを貫く。
「はーーっ!」
ズバズバッ……
「さっすがトッププレイヤーですな〜」
「元だよ、元」
二人の息が、まるであの頃の様に合いはじめる。
「懐かしいねラビィ」
背中越しにユイが言った。
「そうだね」
ラビィが微笑む。
「やぁー!」
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更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。
平日:7時頃、19時頃の1日2話
土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話
です。
また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!




