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第55話

「あったー!」

ナナミの嬉しそうな声が草原に響く。


「こっちにもあったっス!」

少し離れた場所でマヤも光る花を摘み取った。


そのさらに奥では――


「……ほい。ほい。ほい」

ラビィが無言で、淡々と、機械のように採取を続けている。


すでに動きに無駄がない。

視線、しゃがみ、採取、移動。

その繰り返し。


一方で、ドラキュ・ライオット・ユッキーの三匹はというと――

クエストそっちのけで、ころころ転がりながらじゃれ合っていた。


「マヤちゃん見てー! あの子たち遊んでるよー!」

ナナミが手を振る。


「ハハッ! ホントっスね。和むっス」

二人はすっかり観賞モード。


だがラビィは一切見ない。

視線は地面。


心の中は別の意味で燃えている。

(水着代……回収……)


しばらくして、ラビィは立ち上がった。

「皆さん、どれくらい集まりましたか?」


「私5輪!」


「ウチも同じくらいっス」


「んじゃ、私20くらいあるんで。これで大丈夫なハズです。ギルド戻りましょっか」

効率厨の圧倒的成果である。


「みんなー戻るよー!」

ナナミが呼ぶと、三匹は名残惜しそうに駆け戻ってきた。



イースタリアのギルド。


受付で報告を済ませると、端末に通知が表示される。

《クエストクリア》


「ふう……楽しかったぁ」


「まったりクエストも悪くないっスね」

満足げなナナミとマヤ。


「んじゃ、そろそろ落ちまスか」


「だねー」


だがラビィは、にこっと笑って言った。

「あ、先お二人どうぞ。私もう少しやってから落ちます」


二人は一瞬顔を見合わせ――


「ほどほどにね?」


「ラビちんは絶対ほどほどじゃないっスけどね」

苦笑いしながらログアウトしていった。


その直後。


ラビィはくるりと振り返り、全力疾走。

受注端末へ。


「東方採取録……受注!」


通知音。


「よーし!」

再び街の外へダッシュしていった。



現実世界・マヤ邸35階。


テーブルには豪華な食事とお酒。


「ラビィちゃん絶対まだ採取してるよね」


「間違いないっス」

グラスを傾けながら、二人は笑う。


「さっきの“海に一緒に行きたい人”の話さ……」


「あれ絶対男っスよね」


「だよねぇ〜!」

盛り上がる女子トーク。


その時、ベッドの一つで端末の光が消えた。

「ふぅ……お待たせしましたー! お腹減ったー!」


戻ってきたラビィは一直線にテーブルへ。


ピザを掴み、

ぱくっ。


「ん〜! 美味しい〜!」

満面の笑み。


ナナミがぽつり。

「色気より食い気だね……」


マヤも苦笑い。

「食い気よりゲーム気っスね……」


「ん?」

ラビィはきょとんとしながら、次の料理に手を伸ばす。


恋バナよりも、

まずはご飯。

そして何よりゲーム。


ラビィは幸せそうに頬張っていた。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございました。


《ブックマーク》や《評価》を頂けると大変励みになります!


更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。


平日:7時頃、19時頃の1日2話

土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話

です。


また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!

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