第51話
ミラクレアの街の門をくぐった瞬間。
ぽん、ぽん、ぽん――
三人のすぐ横に、光の粒と共にそれぞれの編成メンバーが姿を現した。
「じゃーんス!」
最初に胸を張ったのはマヤだった。
彼女の隣には、炎のように揺らめくたてがみを持つ大きな獅子が立っている。赤金色の毛並みは陽光を受けて燃えるように輝いていた。
「名前はライオットにしたっス」
「うわぁ、カッコいい……!」
ラビィが目を輝かせる。
「強そうだねマヤちゃん! 次は私ね!」
ナナミが一歩前に出る。
その隣に、どしん、と柔らかそうな音を立てて現れたのは――
全身ふわっふわの白い毛に包まれた大きなイエティだった。
つぶらな瞳。
丸みのある体。
巨大なのに、どこかぬいぐるみのような愛嬌がある。
「可愛くない? ユッキーだよ」
「おお、イエティっスか! 良いっスね!」
マヤが嬉しそうに頷く。
「もふもふだぁ……」
ラビィが思わず手を伸ばしかけて――はっと止めた。
「じゃあ、最後ラビィちゃんの番!」
「はい。私はこの子です」
ラビィの後ろで、ぱたぱたと小さな羽音がした。
ふわり、と宙に浮かびながら現れたのは、小さなドラゴンだった。
手のひらサイズで、丸い目がくりっとしている。
「ドラキュです。レガリアの時に、似た限定メンバー連れてたんですよ私」
「可愛いぃぃ……!」
ナナミがうっとり見つめる。
ドラキュはナナミの視線に気づき、
「キュッ?」
と首を傾げて鳴いた。
その仕草に三人の頬が同時に緩む。
⸻
「お披露目も終わった所で、クエスト行くっスか!」
「はーい!」
ナナミはまだギルド間移動機能が使えないため、三人は東エリアへ徒歩で向かうことになった。
道中、魔物が現れるたびに――
「ライオット、行くっス!」
炎の獅子が突進し、
「ユッキー、がんばって!」
もふもふの巨体がどすんと体当たり。
「ドラキュ、ファイアブレス!」
小さな炎がぴゅっと飛ぶ。
……が。
「ごめんねー、はい終了!」
結局、大半の敵はラビィが素早く片付けてしまう。
「ラビちん強すぎっス……」
「やっぱ元トッププレイヤーだよねぇ」
「い、いやいや! 二人ともちゃんと活躍してましたよ!」
一時間ほど歩いた頃。
「見えてきましたよ。あれが東エリアの街――イースタリアです」
石造りの門の向こうには、赤や金を基調にした建物が並び、提灯のような灯りが揺れている。どこか東方風の、異国情緒あふれる街並みだった。
「うわぁ……雰囲気ガラッと変わるっスね」
「旅行来たみたい!」
「ひとまずギルドで拠点登録しましょう」
ラビィの案内で、三人は街の中心にあるギルドへ向かった。
⸻
受付で手続きを済ませる。
「これで、良しっと」
ラビィが端末を閉じる。
「んじゃ、早速クエストの目的地に行きまスか!」
「うん!」
楽しそうなナナミの声が響く。
三人と三匹の新たな冒険が、いよいよ東の地で始まろうとしていた。
ギルドの扉が開き、彼女たちは外へと踏み出す。
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更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。
平日:7時頃、19時頃の1日2話
土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話
です。
また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!




