第50話
遡行施設の前に立ったラビィたちは、巨大な円環型の装置を見上げていた。
内部で淡い光がゆっくりと脈打っている。
ラビィは慣れた手つきで端末を操作する。
「どこ行くんスか?」
マヤがひょいと画面を覗き込んだ。
「エルダーガーデンって場所です。神獣や幻獣、それに動物系も多いエリアなんですよ」
目的地の設定が確定し、転送座標が表示される。
「準備いいですか?」
ナナミとマヤが同時に頷く。
「では、行きましょう!」
ラビィが遡行開始を押すと、足元に光の紋様が広がり、三人の視界が白に包まれた。
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次の瞬間。
やわらかな風が頬を撫でる。
甘い草の匂い。
遠くで聞こえる獣の鳴き声。
空はどこまでも澄み、雲の向こうを巨大な龍が悠々と泳いでいた。
「あ……」
ナナミが思わず声を漏らす。
上空を横切る鳳凰の羽ばたきが、きらきらと光の粒を散らした。
地上では、巨大なマンモスの群れがのっそりと歩いている。
その足元を、小動物たちが駆け回っていた。
「スケールおかしくないっスかここ……」
マヤがぽかんと口を開けたまま呟く。
「ここは生態系保護エリアみたいな場所ですからねー」
そんな二人をよそに、ラビィはスタスタと歩き出す。
「ナナミさん、マヤさん。どうします? ここの子たち比較的おとなしいので、お一人でもデータ抽出は出来ると思いますけど」
「んじゃ、バラバラに探して、せーのでお披露目とかにしまスか?」
「それ楽しそう!」
「了解です。じゃあ後で遡行施設前に集合で!」
ラビィはナナミに簡単な抽出手順を説明し、三人はそれぞれ別方向へ歩き出した。
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一人になったラビィは、のんびりと草原を進みながら考える。
「今後のプレイでも使える子がいいよなぁ……」
戦力。
機動力。
特殊能力。
いくつかの候補が頭をよぎる。
ふと、視界の端に小さな影が映った。
「……あ」
ラビィの目がきらりと光る。
「そうだ。決めた!」
にっこり笑うと、その影の方へ駆け出していった。
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しばらくして。
遡行施設の前に三人が再集合する。
「ふっふっふっ。ウチ、自信ありまスよ!」
マヤが胸を張る。
「私もすっごいモフモフだよ!」
ナナミが嬉しそうに言う。
「お、いいですねぇ。じゃあ戻って登録しましょうか」
ラビィが端末を操作する。
「遡行リセット」
景色が光に溶け、三人はミラクレアの街へと戻ってきた。
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ギルドへ戻った三人は、抽出したデータを登録、編成する。
「よし、これで……あれ?」
ナナミが首を傾げる。
「なんで出てこないの?」
「あー、街の中では生き物系メンバーは表示されない仕様なんです」
「えー!? ちょっと運営。もっと頑張りなさいよ!」
副チーフの発言に、ラビィとマヤは思わず顔を見合わせて苦笑いした。
「サーバー負荷対策っスよ……ナナちんさん。」
「ですねぇ……」
「じゃあ、クエスト受注して外でお披露目しましょう!」
三人は受注端末を操作する。
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クエスト名:東方異聞録
受注完了の通知が、それぞれの端末に表示された。
「じゃあ、街の外へ出てお披露目開始っス!」
マヤが元気よくギルドを飛び出す。
その後を、ナナミとラビィが追いかけた。
三人の捕まえた新たな仲間たちとは……。
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更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。
平日:7時頃、19時頃の1日2話
土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話
です。
また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!




