第49話
キングサイズのベッドに、ぽすんと体を預けるラビィ。
その隣でナナミも恐る恐るベッドへ上がり、端末を胸の上に抱えた。
「なんか修学旅行みたいだね……」
「分かるっス、それ」
マヤはもう慣れた様子で仰向けになっている。
「じゃ、ログインするっスよー?」
三人同時に端末を起動。
視界が白く溶け――
次の瞬間。
ミラクレアのギルドロビーに、三人の姿が現れた。
「おおー……久しぶり!」
ナナミが自分の手を開いたり閉じたりして感覚を確かめる。
「あれ、私のキャラメイクも終わってるんだ」
「それ前のベータテストの時のデータですよ」
ラビィが説明する。
「うわー懐かしい……何も分からず走り回ってたやつだ」
そんな思い出話もそこそこに、
「ラビちん、これこれ」
マヤが受注端末の前から手招きする。
「これが難しいんス」
画面に表示されていたのは――
クエスト名:東方異聞録
クエスト内容:東エリアで起こっている問題を解決
クリア報酬:和柄カスタム
「ああ……これ」
ラビィは苦笑いした。
「“問題解決”って書いてあるから謎解き系かと思いきやの、ゴリゴリ戦闘クエストですね」
「そうなんスよ! 最初に行った時軽い気持ちで行って、即リタイアしたっスもん!」
マヤが大きく頷く。
「まずは、ナナミさんにメンバー一人見つけましょう。戦える系がおすすめです」
「なるほど……」
「あと、私の今のメンバー使っちゃうと一瞬で終わっちゃうんで……私も新しく探します」
さらっと廃人発言をするラビィ。
「出たっス、元トップ勢の余裕発言」
「んじゃ、私も新たに一人メンバー探すっス」
「ナナミさん、仲間にしたい人とかいます?」
ラビィの問いに、ナナミは腕を組んで考え込む。
「うーん……」
数秒後。
「そうだ!」
ぽんっと手を叩いた。
「誰か思いついたっスか?」
「うん! ラビィちゃん! めっちゃくちゃ強いし!」
満面の笑みでラビィを指差すナナミ。
「ははは……」
ラビィとマヤは同時に乾いた笑いを漏らした。
「副チーフだし、無理なの分かってるでしょう……冗談は、さておきどうします?」
ナナミは少しだけ名残惜しそうな顔をしてから、
「んー……じゃあ、強くて可愛い動物とか良いな!」
「おっ、それ良いっスね!」
マヤが賛同する。
「じゃあ、動物がたくさんいそうなエリア行きましょう」
ラビィが歩き出す。
ミラクレアのギルドを後にする三人。
今夜の目的はクエスト攻略――の前に。
それぞれの“新しい相棒探し”から始まるのだった。
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平日:7時頃、19時頃の1日2話
土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話
です。
また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!




