第48話
マヤの案内で辿り着いた先。
そこにそびえ立っていたのは、夜空に突き刺さるような高層マンションだった。
「着いたっス。どぞ、遠慮せず入って下さい」
マヤが当たり前の顔で言う。
「マヤちゃんの部屋は何階なの?」
ナナミが見上げながら尋ねる。
「何階? いや、この建物が自宅っスけど?」
さらっと返すマヤ。
「えっ!? こ、この高層マンション全部ですか!?」
ラビィの声が裏返った。
「そう言えばマヤちゃん家お金持ちなんだったわね……」
ナナミがぽつりと呟く。
自動ドアが開き、中へ入ると――
豪華なロビー。
そしてすぐに、きっちりとした身なりの使用人が一礼した。
「お帰りなさいませ、マヤ様」
「ただいまっス。今日、会社の人達と泊まりでゲームするから35階に三人分の端末と色々用意しといて欲しいっス」
「了解致しました。すぐに」
使用人は静かに去っていった。
「ほえー……スゴい……」
ラビィとナナミはロビーを見渡しながら完全に観光客状態である。
「準備出来るまで、ちょっと座って待ってて下さいっス。私着替えてくるんで」
そう言ってマヤも奥へ消えた。
広すぎるロビーのソファに、ちょこんと並んで座る二人。
「す、スゴかったんですねマヤさんって……」
「私もここまでとは思って無かったよ……」
小声でこそこそ話していると、
「お待たせっス」
ラフな普段着に着替えたマヤが戻ってきた。
同時に使用人も現れる。
「準備が整いました」
「よし、じゃあ行きまスか」
三人は高速エレベーターへ。
静かな加速。
ガラス越しに見える金星の街並みが、みるみる小さくなっていく。
「た、高い……!」
ラビィは思わず手すりを掴んだ。
――ピン。
「35階に到着致しました」
扉が開く。
その先に広がっていたのは――
ワンフロアぶち抜きの、だだっ広いワンルーム。
キングサイズのベッドが三つ並び、テーブルには軽食や飲み物。
奥にはシャワールームまで見える。
まさに“宿泊用フロア”だった。
「もし何か足りない物とか欲しい物あったら準備するんで言って下さいっス」
「私の部屋……何個入るんだろ……」
ラビィは遠い目をした。
「ウチもだよ……」
ナナミも同意する。
そんな二人をよそに、
「早くやろっス!」
マヤはキングサイズのベッドへダイブし、端末を掲げる。
「と、とりあえず……上着は脱いでおこっか」
ナナミとラビィは頷き、上着を脱いでたたみ、部屋の隅へちょこんと置いた。
非日常すぎるお泊まり会場。
だが三人の頭の中にあるのはただ一つ。
「ログイン、準備いいっスかー?」
現実世界でも、今夜は長くなりそうだった。
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更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。
平日:7時頃、19時頃の1日2話
土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話
です。
また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!




