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第46話

「ラビィ……どういう事?」

ロランの声は焦りを隠せなかった。


「これだけの力で傷一つ付いてないんだよ……もう無理だ」

諭すように言うその前で、ラビィはなぜか落ち着いていた。


「ちょっと待ってね」

ステータス画面を開き、アイテム欄を操作する。


「ロラン。これ受け取ってくれる?」

ポン、と軽い音が鳴り、ロランのアイテムBOXに一つのアイテムが転送された。


「え?」


「これ取った時ね、ロランに似合うだろうなーって思ってたんだ」

少しだけ視線を逸らし、もじもじするラビィ。


ロランはアイテムBOXを開く。


《アイスハートの腕輪》


「これは?」


「前にロランが用事あるって先に落ちた時あったでしょ?その後、偶然行ったクエストで手に入れたの」


「あ、ありがとう……でも腕輪を装備したくらいで、そんなに戦力は――」

言いながら装備する、その瞬間。


パキパキパキッ!!


ロランの蒼く光る槍、その穂先が一瞬で透明な氷に包まれた。

鋭く、冷気を放つ刃へと変化する。


「なっ……これは!?」

驚きに目を見開くロラン。


ラビィはニヤッと笑った。

「ね? 驚いたでしょ」


自分の二刀を見つめる。

「私も装備してみたんだけど……一本にしか効果出なくてさ。せっかく綺麗な氷だったのに」


顔を上げる。

「だから使って、ロラン!」


ロランの表情が変わる。

「これなら……いけるかもしれないね」

再びその瞳に闘志が灯った。


ラビィは振り返る。

「みんな!ロランに出来るだけ攻撃に集中させてあげて!」


呂布がニヤリと笑う。

慶次郎が槍を回し、趙雲と利家も静かに頷いた。


「くれぐれも無理はしないで!僕もやれるだけ頑張るから!」

ロランの声に、全員が応える。


「行くよ!」

ラビィが先陣を切った。


呂布、慶次郎、趙雲、利家はそれぞれ馬に跨り、四方八方からフレイムドラゴンへ襲いかかる。


斬撃、突撃、連撃――


だが。


そのどれもが、竜の鱗に弾かれる。

効いてはいない。


それでも。

確実に、巨大な視線と意識は分散していく。


「ありがとう……ラビィ」

ロランはそう呟くと、目を閉じた。


氷槍を握る手に力を込め、静かに闘気を高める。

周囲の熱気が、槍の冷気に押し返される。


――今だ。


ロランが目を見開いた。


閃光のような速度で駆ける。

一直線。


迷いのない一撃。

「ここで倒せなきゃ男じゃない!!」


ズバッ――!!

氷の軌跡が、フレイムドラゴンの胸部を貫いた。


一瞬の静寂。


次の瞬間。


「グギャアアアアアア!!」

断末魔の咆哮が孤島を震わせ、巨体が崩れ落ちる。


地面が揺れ、砂塵が舞い上がった。

やがて、動かなくなる竜。


「や、やった……」

ロランの手が震える。


「やったぞラビィ!!」


振り返った瞬間。


ガシッ!

ラビィが思いきり飛びついていた。


「やったねロラン!おめでとう!!」

満面の笑み。


ロランは一瞬固まり、次に照れたように笑う。


「おいおい……あんまり見せつけるなよ……」

目を伏せながら言う慶次郎。


その言葉にラビィはハッとし、慌てて離れる。


頬がほんのり赤い。

それを見て、仲間たちがどっと笑った。


その時。


視界に表示が現れる。



クエストクリア

『フレイムリング』達成



静かな風が、熱の消えた島を吹き抜けた。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございました。


《ブックマーク》や《評価》を頂けると大変励みになります!


更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。


平日:7時頃、19時頃の1日2話

土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話

です。


また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!

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