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第42話

ギルドを出たラビィとアースは、ミラクレアの大通りを並んで歩いていた。

久しぶりに隣を歩く後輩の姿に、ラビィはどこか懐かしそうに目を細める。


「あ、そうだアースくん。ギルド移動機能使える?」


「当たり前じゃないですか」

アースは即答した。


「初日に終わらせましたよ、その解放クエスト。ついでにノースタリアも登録済みです」


「さすがだね、分かってるー!」

ラビィは笑いながらアースの肩をぽんっと叩く。


二人は街の外へ出ると同時にメニューを開き、ギルド移動機能を起動。


光に包まれ——次の瞬間。


吹き荒れる白銀の世界。


「寒っ!!」

ラビィが肩をすくめる。


「このエリアずっと雪降ってますもんね」

ノースタリアのギルド前は、絶え間なく粉雪が舞っていた。

吐く息が白い。


「そう言えばラビィさん、メンバー呂布と慶次なんですね! レガリアの時の僕と同じだ」


「うん! 赤兎馬ちゃんと松風ちゃんもいるよ」


「元トッププレイヤーに真似されるの、なんか恥ずかしいな……」

照れたように頭をかくアース。


「いやいや、アースくんも立派な元トッププレイヤーじゃない!」


「ラビィさん程知られていませんよ」

そんな会話をしながら、二人とそのメンバーは雪原を進んでいく。


ラビィはアースの後ろを歩く二体の存在を見た。

「ねえアースくん、あの人たち誰なの?」


「ああ、紹介してませんでしたね」

アースが振り返る。


「こっちがヘラクレスっていう神様で、もう一人がベリアルって悪魔です」


「ほえー!! すっごいね! 神様と悪魔様なんて!」

ラビィの目がきらきらする。


「バランス悪そうで、意外と相性いいんですよこの二人」


やがて目的地に辿り着く。

二人の前にそびえ立つのは——巨大な氷山。


その中心部に、淡く青白く輝く石が埋まっているのが見えた。


「あれが……アイスハート?」


「でしょうね」

アースが頷く。


「これ壊せって事……だよね?」


「多分……そうでしょうね……」


アースが剣を構える。

「やーっ!」


——ガキン!!

硬質な音と共に、剣は弾かれた。


「かっっっった!?」


「次は私が!」

ラビィが二刀を振るう。


「はあっ!!」


ガキン! ガキン!

火花が散るだけで、氷山には傷一つ付かない。


「呂布さん! 慶次郎さん!」

呼応して、二人が前へ出る。


戟と朱槍が唸りを上げ氷山を打つ。


パラ……パラ……

わずかに表面が削れただけ。

氷山はびくともしない。


「うーん……困ったね……」

ラビィが頬をかく。


アースは少しだけ視線を逸らした。

「しょうがない……なんかズルみたいで使いたくなかったんですが……」


「ベリアル、お願いできますか?」

黒翼の悪魔が一歩前へ出る。


次の瞬間——


ゴォォォォォッ!!


口から放たれた灼熱の炎が氷山を包み込んだ。


ジュウウウウウウ……


凄まじい音と共に、氷がみるみる溶けていく。


「ちょちょちょちょ待って待って!!」

ラビィが慌てる。


「ストップ! ストップ! もういいよベリアル!」

アースが制止すると、炎は止まった。


そこには、氷を失い露わになった青い宝石が静かに輝いている。


「おおー……」

ラビィとアースは顔を見合わせ、小さく頷くと氷山の残骸を登っていく。


そして——


ラビィが宝石に手を伸ばした。

アースも同時に触れる。


——ピコン!


端末の通知音。


《クエストクリア》

《報酬はアイテムBOXへ送られました》


「やったー!!」

ラビィが満面の笑みで振り返る。


アースも笑う。


「クエストークリアー!」

パンッ!


雪空の下、二人のハイタッチの音が響いた。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございました。


《ブックマーク》や《評価》を頂けると大変励みになります!


更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。


平日:7時頃、19時頃の1日2話

土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話

です。


また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!

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