表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/55

第37話

ラビィがログインすると、視界の中央に赤い文字のウィンドウが浮かび上がった。


【注意告知】

バグにより大型魔物の出現事案が発生しています。


「おっ?」

思わず足を止め、ラビィはその告知を開いた。


マップが表示され、見覚えのあるエリアが赤く囲まれている。


「うわ……ここ、昨日私が教えた場所だ」

さらに文章を読み進める。


対象魔物への挑戦は個人の判断に委ねられますが、

本日以降のメンバー消失について運営は責任を負いかねます。

告知以前の消失対象者には精査の上、お詫びの品をお送りさせていただきます。


「うわー……急に重たい文章になったなぁ」

腕を組みながらも、どこか感心したように頷く。


「いやー、仕事早いね!ナナミさん」


「ん?」

背後から声がした。

振り向くと、ロランが立っていた。


「ラビィの知り合いに運営の人でもいるの?」


「えっ!? い、いないいない! ただ運営さん仕事早いなーって思っただけ!」

慌てて手をぶんぶん振るラビィ。


ロランは首を傾げつつも、すぐに告知画面へ視線を戻した。


「やっぱりバグだったんですね、あの魔物。僕一人じゃ絶対無理でしたよ」


「私もロランが居たから何とか勝ててるんだよ」

にこっと笑うラビィ。


その直後、ナナミに言われた言葉が頭をよぎる。


──好きな子でも出来たの?

(やばい……私、今めっちゃロランのこと意識しちゃってる……)

顔がじわっと熱くなる。


「ん? ラビィ、顔赤いよ。大丈夫?」


「だ、だ、大丈夫です!!」

即答。


ロランは不思議そうにしながらも、それ以上は追及しなかった。


「アニバーサリーイベントも、だいぶやること無くなってきちゃいましたね」


「だねー」


「そろそろ新しいメンバーのデータ、取りに行きません?」

ラビィの目が一瞬で輝いた。


「いいねー! どこ行く?」

さっきまでの動揺はどこへやら、完全にいつものラビィである。


ロランは端末を操作しながら言った。

「次は戦国時代の日本なんてどうです? この時代、槍の名手がたくさんいるんですよ」


「うん! いいよ!」


二人はギルドから遡行施設へと移動する。

後ろには呂布と趙雲の姿もあった。


施設へ着くとロランが端末を操作する。

「時代設定……エリア設定……よし、完了。準備いい?」


「おー!」

光が視界を包む。



次に目を開けた時、そこは見渡す限りの陣地だった。


はためく旗、並ぶ兵、遠くに見える山並み。


「わぁ……なんか懐かしい感じする。半蔵さんが居た時代みたい」


「そうそう、レガリア時代のラビィの初期メン、服部半蔵がいた頃に似てますね。それよりは少し前の時代になるんですけどね」


「今回、僕の目的は――前田 利家です」


「…………」


ラビィは真顔になった。


「うん、分からないのは知ってました」


「えへへ」


「加賀百万石の祖として有名な武将で、槍の腕も一流なんですよ」


「へぇ〜!」


感心した様子で頷いたラビィが、ふと手を叩いた。


「あっ! 前田さんなら知ってるよ!」


「え?」


「前田 慶次郎さん!」


ロランの目が丸くなる。

「おっ、傾奇者ですね!」


「それそれ! 派手で強い人」


「じゃあラビィは慶次郎狙いでいきます?」


「うん! そーする!」

目的が決まり、二人は顔を見合わせて頷く。


「前田家の陣、あっちですね」


ロランが遠くの旗を指差す。

風に揺れるその旗には、梅鉢の紋。


意気揚々とラビィが言う。

「よーし、戦国武将ゲットだー!」

呂布が無言でため息をつき、趙雲は静かに微笑む。


四人と二頭はゆっくりと、前田家の陣へ向かって歩き出した。

戦国の風が、甲冑の隙間をすり抜けていった。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございました。


《ブックマーク》や《評価》を頂けると大変励みになります!


更新は毎日致しますが、2話更新に変更致します。


平日:7時頃、19時頃の1日2話

土、日、祝:12時頃、20時頃の1日2話

です。


また、前作《月の兎、時代を駆ける~目指すはフルダイブ型MMORPG無双~》はこの作品の過去のお話となっておりますので宜しければ、そちらの方もよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ