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注射  作者: 八味とうがらし
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注射 黄島と黒崎

『赤土耕太が私の辞職に気づいたときにこれを総務に提出すること。理事長や学長には赤土耕太の業績をもとに私の代わりにと推薦してあり、承諾も得ている』

一色から3通の封筒を手渡されていた。

一つは理事長の承諾書。

一つは学長の承諾書。

最後に赤土耕太の教授承諾書。

赤土耕太の承諾書は赤土耕太も知らないうちにサインと印鑑が押されていた。

赤土耕太がタクシーに乗り込んで講演会に向かうと早速黄島美波は総務に向かった。

「失礼します。私赤土耕太研究員が代表代理を務めています生物研究室で事務処理を任されております黒崎です。赤土耕太教授昇格書類をお持ちいたしました。ご担当者様いらっしぃますでしょうか」

「聴いてますよこっちです」

「あなたも大変ですねあそこの研究室で個人的に採用されたんでしょ」

「はい。こっちは大助かりですよ赤土さんって一色さんと違って全然こっちに顔出さないから」

黒崎は、一色から手渡された封筒を総務の担当に手渡した。

「あらためますね」

「・・・」

「あー確かに受け取りました。手続きの関係で少し時間をいただきますが、それでも今週には赤土耕太教授の誕生です」

「ありがとうございます。赤土教授も喜びます」

「教授は少し早いですかね」

総務の静かな空気感に少し癒しの空間ができていた。

「黒崎さんはいつまで事務対応されるのですか」

「まだ分からないのですが赤土さんの講演が落ち着きが出てくるまでかなと」

近くで二人の話を耳にした外部講演担当者が二人の話に割り込んできた。

「赤土さんのスケジュールでしたら来月いっぱいまでではしっかり予定が入ってます。再来月になれば落ちつくと思います」

「ありがとうございます。というわけで私は来月ぐらいまではお世話になると思います」

「それではよろしくお願いします」

そう言うと黒崎彩音は総務を退出して研究室に戻っていった。

「一色教授お疲れ様です。黄島美波です。赤土耕太さんの教授昇格書類総務に先程提出しました。今週中の手続きで教授昇格できるそうです」

そう一色に連絡をした。

「ありがとう黄島美波ちゃん」

電話を切ると一色は高笑いをした。


「本日は特別に赤土さまに質問に答えていただきたいと思います」

赤土耕太は打ち合わせのない質問コーナーに驚きを隠せないでいた。

「どなたか赤土様にご質問ある方は挙手を願います」

「えーっと赤土さんのシステムなんですがどうやって植物に違う情報を伝えるのですか」

「赤土様いかがでしょうか」

赤土耕太は安心したこの質問はこのシステムの鍵となるところなのだから

「ええーありがとうございます。はい生物に対してどのようにこちら側の情報を伝えてゆくかですね。それはこちらをご覧ください。先程の資料の中にあったページを再度表示しますね」

 そこには難しい計算式や生物の細胞の拡大図などが表示されていた。

「生物と言うのはある一定期間成長をしていく過程の中である時意志もしくは意識を持つ様になる事がわかりました。つまりその意識の芽生えの瞬間に我々がその意識にはたらきかける情報を乗せた亜空間ロケットにてその生物に打ち込むのです」

「亜空間ロケット?」

「はい亜空間ロケットです。生物が意識を持つ瞬間我々は一定の磁場が起きることを突き止めたのです。その磁場に向かって注射を打ち込むことによって元からある生物の意識と我々の新たな情報でより高度な植物になり、今までの収穫量を超える作物が収穫できるのです」

 今日の最後の講演を終えた赤土耕太は会場が近くだったこともあり研究室に立ち寄った。

「流石に黄島さんも帰ってるよな。それにしてもこんなにも周りからの反響が大きいだなんて・・想像を超えちゃってるよ」

 そう独り言を言いながら久しぶりに落ち着いていた。

「これからどうなるんだろう。教授は本当に大学やめたのかな?辞めたって事になると誰がこの研究室を切り盛りするんだろうどこか違う大学から教授をスカウトしてくるのかな」

 赤土耕太は最近の激務に疲れて研究室で寝込んでしまった。

「赤土さん。赤土さん」

黄島美波が赤土耕太の肩を揺すって起こした。

「寝落ちしてしまったよ」

「連日の講演会でかなり疲れが溜まっていらっしゃるんでしょうね」

「気遣いありがとう」

「そんなことはないですけど」

早朝のほっとしたひと時だった。

「あ黄島さん昨日の件ですけど」

「一色教授のことですよね」

「はい」

「あの後総務に伺いました。そしたら一色教授はすでに大学をお辞めになっていらっしゃるそうです」

「はぁ〜やっぱりそうだったのかぁ。で今後この研究室にはどなたが就任されるんだろうか?総務の方達何か言ってなかった?」

「伺ってますよ」

「え。どなたが来られるんですか。オレしってる教授かなぁ」

「赤土さん知ってらっしゃると思いますよ」

「誰だろう。今この研究室をひっぱてくれる教授なんて居ないはずだけどな皆さん忙しいからな。よそから来るのかと思ってたけど・・・でどなたが来られるんですか」

「どなたも来られません。私が取り仕切ります」

「えー黄島さんが室長になるんですかぁ〜」

「冗談ですよ」

「あーびっくりした。冗談がキツイですよ」

「フフフフフ」

「でどなたなんです」

「赤土さん」

「はいなんでしょう」

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