注射 試行錯誤
赤土耕太は紺野未知子のサポートを発想の転換起爆剤と考えていた。つまり圧倒的な知識と経験を持つ赤土耕太にとって、紺野未知子の知識では正直なところあまり役に立つとは言えない。しかし紺野未知子は浅い知識の中で赤土耕太の考えの及ばない奇想天外な発想を赤土耕太にぶつけてくるため、それが赤土耕太の突破口となってあることがあった。
紺野未知子は、削減システムで種子に戻ってしまったエリアの観察を行なっている。1時間ごとに発芽があったかを目視するのが仕事だった。既に予定の一週間も過ぎ二週間目を迎えようとしている。紺野未知子も毎日1時間ごとの発芽チェックという単調な業務に退屈を覚えていた。
(季節は大丈夫なんだろうか・・・。種は大丈夫だったんだから・・・。あと何か普段と違うものって・・・)
自問自答の中でいつ発芽するのか紺野未知子は植物と根気比べのように感じていた。
「紺野さん。コーヒー入れました。休憩にしましょう」
「赤土さん・・大丈夫でしょうか・・・」
「こればかりは誰にもわからないです。システム自体は問題ないので、あとはあっちの世界がどうなっているのかだけです」
「そうですよね、あっちの世界には誰もいったことないですもんね」
「一度亡くなってしまえば行けるんですけど・・今度は帰ってこれませんから」
「増加はよくて、削減もできて・・・復活はできない?・・削減の時何か向こうで起きているんでしょうか」
「今回の削減システムは一色のプログラムの改良で行なっています。このプログラム以外の方法でも削減出来そうなんです・・・」
「そうなんですかぁじゃぁ今後はそのプログラムを使って・・・」
「削減プログラムは今後必要ないですよ。今回は一色のプログラム解除が目的ですから」
「あっそうか!そうですね」
「一色の方法はエリアを設定してその場所の生物を削減するんです。なので今回の効果検証もそのエリアが対象なんです・・・ひょっとしてエリアを新しいものとしてプログラムしてやれば生命が芽吹くかもしれないです。紺野さんもう一週間発芽確認願います。こんどは半日に一回でいいです。その間にオレは改良を加えたワクチンを作ります」




