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注射  作者: 八味とうがらし
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注射 焦り

「おはようございます」

黄島美波が研究室へ入ってきた。

「黄島美波ちゃん!おはよう」

「教授そろそろフルネーム呼びなんとかなりません」

「しょうがないでしょ!黄島美波ちゃん。また今度会う時までに考えますよ」

そう言うと早速一色教授は黄島美波がこれから話すであろうことが待ちきれない様子だった。

「それでどうなったんです黄島美波ちゃん」

「・・・ですから・・。あーところで先日伺った時にいた若い方は」

「赤土耕太君ね。彼には今日終日休みを取っていただいたんですよ」

「なるほど、さすがですね」

「それでどうなってきましたか黄島み」

教授を遮るように黄島美波が説明をし始めた。

「教授もご存知の通り例の国にロケット発射台を建設中ですが、来月には完成する見込みです」

「見込みとはどう言うことなんですか黄島美波ちゃん」

「・・はい建設現場の周り10km付近を車がうろうろしているとの事でした」

「あんなところをですか」

「はい、まず問題はないと思いますが念のため今その車を調査しているそうです」

「それが解決すればいよいよですよ教授。スポンサーもロケットの準備はできてもそれからは教授に力がないと」

「そうだね黄島美波ちゃん」

「それで教授。まとめの進捗はどうなっているのですか」

「近いうちに今研究室で進めている内容を発表することにしているんだよ。そこに世間は注目するでしょう。その成果に世間が騒いでいる間に」

「おはようございます」

赤土耕太が突然研究室に入ってきた。

「あれあなたは確かキジマさん」

「おはようございます赤土耕太さん。先程から教授に赤土耕太さんの話を聞かされていました」

「教授がなにを」

「赤土耕太君君は今日1日お休みするんじゃなかったのかな」

「あー教授そうなんですけど家にいてもまとめのことしか頭にないので出てきました」

「それじゃしょうがないねではまとめの事よろしく頼むよ」

「キジマさん教授に会えてよかったですね」

「ありがとうございます。そうなんですようやく教授にお目にかかることができました」

「教授突然伺ったにもかかわらずお話を聞いてくださりありがとうございました。それでは私は失礼いたします」

そう言うと黄島美波は研究室を出ていった。

「教授あのキジマさんって何のようなだったんですか」

せっかくの会議を途中で邪魔されてしまった教授は少しイライラしていた。

「あの黄島って女性この研究室で働きたいって申出てきたんだよ赤土耕太君」

「えっそんな俺一人で大丈夫ですよ教授」

「まあその件はまた後日考えるとして、君が研究室に居てくれるのなら私は出かけてくるよ」

「教授大丈夫です。オレいや私がしっかりとサポートします。リポートのまとめも早急に仕上げます」

一色教授はわざとそっけないふりをして研究室を出ていった。

「えーどうしようキジマって女性が研究員として採用されたらオレやばい。とにかくいま任されている研究のまとめをしっかりしなければ・・・。いやちょっと待て、まとめさせておいて発表をキジマって女性がすることもあり得るな。やばいよ絶対やばいよ!」

赤土耕太はまとめることもせず、ぶつぶつ独り言を言いながら一人焦っていた。

「赤土耕太君には悪いがしばらくは黄島美波ちゃんの存在に不安を感じていてもらいましょ。その方が本当の黄島美波ちゃんの仕事についてわからない方が助かるからね」

一色教授は自らの研究について最終段階に入っている事に満足していた。


 繰り返される食糧危機対策協議会は食物自給率の2%アップを目指すことを念頭に具体的にどうするのかを事務レベルでに詰めることとなった。

大臣も会議の結果に満足していた。珍しく囲み取材に応じていた。

「大臣嫁入り新聞社白根です。早速ですがこの度の会議の内容で今後の我々の食糧危機は回避できるのでしょうか」

「皆さんこのたびの会議では

以前に申しておりました通りの内容となっております。自給率のさらなる上乗せをしろとのお声も私の耳にも聴こえてございます。ただ今現在しっかりとで対応できる数字プラスアルファーでなければならない。出来もしない数字を上げていては

我々の未来は無い。そう考えます。」

「ありがとうございます大臣」

数社が大臣に質問をしていた。

そろそろと秘書が囲み取材を解いた。

「そんな事で本当に食糧危機は回避できるのか?」

白根は編集部に帰ると青木美月改め緑川美月から届いたリポートに目を落としていた。

「あの食糧危機対策協議会では絶対に数年後飢餓が世界中を覆うぞ絶対に」

この度の食糧危機対策協議会の内容をまとめて新聞に載せた。またその内容を緑川夫婦にも送った。

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