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注射  作者: 八味とうがらし
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注射 発見

「オレここに泊まり込んで資料を探したいんですが・・・白根さん大丈夫でしょうか」

「ここは一色の持ち物だと思うから本当はダメなんじゃないのかな・・・。でもそうしないと前に進まないしな・・・・。俺桜木に連絡入れて警察に話を通してもらうようにしとくよ」

「それで紺野さんはどこに泊まるんですか」

「なにも決めてないんです・・」

「紺野さん今日は私たちと夕食を一緒にと思ってますそのあと最寄りのホテルがとってありますのでそこに一泊してください。翌日は私が迎えに来ますので・・」

「あっ紺野さんホテルですけど・・・オレも前に白根さんが用意してくれたところに泊まったんですけど・・・結構せまいですよハハハハハハ」

「耕太お前ねぇ・・・」

「白根さん私一色教授と別れてからは公園で寝泊まりしたこともありましたし、どこかの倉庫に忍び込んで寝たこともあったんで全然大丈夫です」

 紺野未知子は、一色の暗殺から偶然逃げることができたのだったが、常に追手が来るのではと怯えて暮らしていた。そのことがあって空港で赤土耕太とぶつかった時も一瞬殺されると思ったほどだった。

「紺野さん野宿に比べれば天国ですよ。それにあなたをつけ狙おうとしている企業のトップたちは既に逮捕され裁判が行われようとしていますから・・・」

「もう大丈夫なんですね」

「はい大丈夫ですよ」

そう言いながらも紺野未知子には遠巻きに身辺警護がつけられていた。

「耕太それじゃ一度食事に行ってからにしようか」

赤土耕太は手を止めて白根たちと一緒に山小屋を出ようとした。

「あっ待ってください」

赤土耕太地下室の隠し扉のスイッチを切って扉を閉めた。

「耕太別に大丈夫だろ・・」

「いやわかりませんよ。ちゃんと戸締まりはしておかないと」

 三人は山小屋を離れ紺野が泊まるホテル近くの居酒屋に入った。個室に通され誰もがリラックスの中食事を楽しんだ。紺野未知子も久しぶりに飲むアルコールに黄島美波の頃のような何処か余裕のある感じに戻りつつあることを感じていた。

食事が終わると白根と紺野未知子はホテルに入り、赤土は一色の山小屋へと向かった。

「さぁ一色の呪縛を絶対に解いてやるぞ」

意気込む赤土耕太はアルコールの余韻も気にせず書類を一枚一枚ページをめくっていった。気がつくとすっかり日が昇り白根たちが来る時間となっていた。

「耕太。おーい」

白根が赤土耕太を呼びかけてはいるが全く気づかず資料に目をやっていた。

「あっこれって・・・見つけたんじゃないかな」

赤土耕太は見つけた資料を何度も何度も目で追っては天を仰いでぶつぶつと独り言を言っていた。

「耕太。おい」

赤土耕太はビックリして白根の方を振り返った。

「白根さん一つ見つかりそうなんですよ。これ見てくださいよ」

「耕太オレにわかるわけないだろ。それより紺野さんに見てもらったが良いんじゃないか」

「紺野さんこれ見てください」

「私にわかるとは思えないんですが・・」

赤土耕太は素直に紺野未知子に資料を見せた。紺野未知子の様子を白根は何気に観察していた。

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