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注射  作者: 八味とうがらし
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注射 再生

「皆さん緑川です。」

「おぉ緑川夫妻!今日はどうされたんですか」

「いや実はオレたち二人結婚して最大の試練を迎えたものですから、皆さんの笑顔に甘えにきました」

「それはそれは。流司奥さんをおこらしてはダメですよ。それは恐ろしいことの始まりですから・・・ハハハハハハ」

流司は頭をかきながら照れ笑いをしていた。美月もその横でその通りだと言わんばかりに頷いて流司の横腹をつついて笑っていた。このことがあって緑川夫妻とマフィドの集落は一層仲が深まっていった。

緑川夫妻は小一時間マフィドの集落で話をした後帰宅の途に着いた。

 美月もこのドライブの後少しずつ自分の怒りを収められるようになり、紺野未知子も同じように何かに苦しんでいたんだと思えるようになってきた。それよりも紺野未知子は未だに苦しみから解き放たれていないのではないのかとも思い、赤土耕太が寄り添ってやる事が今の紺野未知子には必要なことなのかとさえ思えるようになっていた。

「おはよう流司!」

「おっおっおはよう美月。どうしたぁ」

「朝起きたら挨拶するじゃない」

「・・それは・・・まぁ美月おめでとう・・!」

「なにおめでとうって・・誕生日じゃないんですけど」

「いやなんとなくな・・ところで今日はどんな予定だったけ?」

「本当は今日マフィドさんの集落へ行くはずだったんじゃい。でもこの間の休みの日にいっちゃたから、今日は振替休日ということでお願いします」

「なるほど振替休日ですか!了解です」

「ではもう一寝入りしましょうか・・・」

二人は再びベッドに潜り込み夫婦の時間を共にあじわい、久しぶりに心を和ましていた。


退院の近づいた紺野未知子の病室には、赤土耕太と白根が今後について話をしていた。

「紺野さんこれからだけど・・・聞き忘れていたんだけどどこに住む予定だたんですか」

「退院したらまずこのタブレットを一色教授が所有してたと思うんですけど・・・山小屋というか別荘というかそう言うのがあってそこに返しにいって、それからまた海外に隠れようかと思っていたんです」

「一色の別荘!それってどこにあるんですか」

「出雲大学の近くなんですけど・・・それが何か?」

「そこに削減システムに関するものがあるんじゃないかと思いますが」

「確かに地下もあったりしたけどなにもなかったんですよ・・・」

「そこに一緒にいかせてください」

紺野未知子は一色の別荘には何もないと思っていたので、特に今まで気にもとめてていなかった。

 紺野未知子の案内で一色の別荘の中に入った二人は建物の大きさに驚いていた。

「白根さんこれってすごいですね」

「ああ見た目は山小屋だけど・・・どういうことだ?この地下室の広さは」

「紺野さん一色はいつもどこにいたんですか」

「一色教授は私がくるといつもこの地下室で私を迎えてました・・・」

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