注射 こころ
「ねぇ流司、こっちにいればいるほどこのままでいいような気になってくるんだけど・・・」
「と言うと?」
「赤土さんがやってる削減システムの無効にするやつ。あれってもしもうまくできたら今度はまた子どもが沢山産まれて食糧危機になってしまうじゃない。それならいっそこのままの方が・・・」
「美月お前それは・・・。でも、でもだよ。赤土さんの増加システムを同時に使えば食糧は増産できるんだから飢餓に苦しむ人は必ずいなくなるわけだから・・・」
「そうか・・・そうだよね・・」
「・・・そろそろ赤土さんがいつこっちに来てもいいように準備しとかないとな!」
「・・・・。赤土さんどこに住むようになるのかなぁ」
「政府開発援助としてこっちに来るからなぁ、オレ達が取材した内容や以前の農地後だったりとかを鑑みると、ほら美月がロケットの発射台を遠くに見た辺りになるそうだな」
「あんなとこ道路もないのに」
「そんなの必要ないよ、ただひたすら地平線だから大丈夫だよ、ただ土地が痩せてしまってるからな。だから土地の区画整理から始まって、肥料を混ぜて水路を作ってとかなり大規模なことになるみたいだな」
「そうなると赤土さんはどうなるの?」
「計画の現地リーダーとして来るってことで話がきまったようだな」
「赤土さんリーダーなのかぁ」
「大丈夫なのあんな素直な人が・・」
「まぁ俺たちもいるし、まずは桜木が後ろにしっかりといるから大丈夫だよ」
赤土耕太は、紺野未知子の病室に時間の許す限り訪問した。そんな赤土耕太を白根も見守っていた。赤土耕太の一回の訪問時間も今や無制限状態までなり、お互いにその時間を楽しんでいた。
「ねぇ赤土さん・・・私実を言うとね・・・・・・いや何でもない・・・」
「まぁ無理に話さなくてもいいですよ。誰もが話したくないことだってありますから」
「赤土さんにも話したくないことってあるんですか」
「そりゃぁありますよ」
「そうなんだぁ・・・・」
「紺野さんってオレよりも沢山の経験をしてらっしゃるように見えるから・・その分オレよりも話したくないこといっぱいあるんじゃないのかなって勝手に思ってます」
「・・・・・」
「だから話せる心が整ったら話せばいいですよ」
「実はね・・・私一色教授と一緒に行動を共にしていたんです・・・その行動は妊婦の赤ちゃんを消すためだったんです・・・」
赤土耕太は分かっていたが実際に紺野未知子の口から聞くと少なからずショックを受けた。ただし努めて冷静にそして聞くことに徹していた。
「赤土さんに最初に大学で会ったのも一色教授の指示だったの。赤土さんの前では名前も黄島美波に変えて、総務課では黒崎って名前で・・・。そのあと何回か国外のスポンサー企業のところに行ったりしたの・・・」
「紺野さんそんな大事なことオレに言って大丈夫?」
「もういいんです。今ここにいるのも多分そのことがあるからだと思うの」
「・・・・」
「だから最初に赤土さんに聞いて欲しかったんです」
「オレ・・・どうすればいいですか」
「警察でもどこでにでも話してください」
「・・・本当にいいんですか」
「はい。一色教授も殺されたんですもの」
「えっ一色さんが・・・」




