注射 模索
「白根お前もう少し時間があるか。次官にこれから会ってこの話をしようと思う。たしか前にもあったことあるよな」
「いやあの時は会ってないんだ。資料を渡して帰ったんだよ」
「じゃぁ今日は会っとくといいよ。やつは力になってくれるよ」
「大臣事務次官がお越しです」
「大臣どうしたんですか急に。お客様でしたか」
「日柴喜さん急にお呼びしてすみません。さぁこっちきてください」
白木は立ち上がり名刺を手渡した。
「嫁入り新聞社様・・・・。日柴喜と申します」
「日紫喜事務次官様すみません」
「まあまあ白木も日紫喜さんも硬くならずに・・・はい座って座って」
「で大臣急なお呼びでしたが・・・」
桜木が白根に説明を求め白木は日紫喜次官に最初から説明をした。
「そういうことですかぁ。これはそう簡単にはいきませんよ大臣」
「まあそれを筋道をつけて上手く行く方法を考えようってのが話なんだよ」
「大臣いつも無理難題を持ってきては我々を・・・」
「日紫喜次官すみませんいつも無理難題をお願いしまして」
「何で白根さんが断られるんですか」
「すみません。ここ最近大臣に無理難題をお願いしてまして、それが日紫喜さんに全部行ってるのかなと思ったものですから」
「それにしても別に白根さんが断られなくてもいいんです。桜木大臣はいつもこうなんですから」
「日紫喜さんそりゃないぜ」
「ハハハ」
「でどうなるんだろう日紫喜さん・・・」
「ちょっと考えますね。お時間ください」
「いつもありがとな日紫喜さん」
「・・改めて連絡しますね。白根さんこれで失礼します」
日紫喜次官を目で見送った後白根は桜木大臣と向き合い改めて展望について話し合った。
白根は社に帰り、緑川に桜木大臣との打ち合わせについて説明していた。
「白根想像よりも時間がかかりそうだな」
「まあな、ただ亜空間ロケットの影響で世界のメディアがあそこに取材にいってるらしい。俺たちも現地の最新の状況を取材して、いかなければならないと思う。桜木の流れを待っての行動では遅いと思う」
「それじゃ改めて現地取材に行ってまいりますか」
「いや、それで次は他の記者に行かせようと考えているんだ」
「なんでだよ」
「青木をどうするんだよ!」
「美月はこっちに残すよ」
「青木を十何年も一人にさせとくのか」
「・・・・」
「もう独り身じゃないんだから、お前は家庭を持ったんだよ」
「わかってるよ」
「じゃあそういうことで」
「いやいやちょっとまてよな」
「連れて行けるわけないだろう緑川」
「・・・・・」
二人は結論が出ないまま時間だけが過ぎていった。
赤土耕太は大学時代の書類を全て読み返していた。
一色にしてみれば、赤土耕太のどこか本気になれない性質だったからこそ研究員として採用したのだった。それでも赤土耕太は使命感を一人纏って一色の手掛かりを見つけようとしていた。「一色が作った削減プログラムのヒントは必ずこの中にあるはず。あぁこんなことならもっと主体的に研究に取り組んどけばよかったよ・・・。あっそういえば」
赤土耕太は白根の携帯に連絡を入れた。
「赤土です。すみませんちょっと教えてください。白根さんが以前出雲大学の金美さんに取材された時のことなんですけど・・・」
「はいどんなことですか・・・」
「確か企業とコラボした時削減システムについても研究したっていってませんでしたか」
「あぁそうだ、研究してますよ研究データはまだ大学に保存されているはずです。企業とのコラボが解消され。研究データは全て大学に返されたはずです」
「白根さん早いうちに大学に行ってそのデータを見せてもらいましょう」
「なるほどぉ!その手がありましたね」
「緑川夫妻にも連絡願いますね」
「・・・わかりました。大学へのアポは私から入れますね」
「あぁ助かります。」
「では後ほど連絡を連絡を入れます」
白根は早速出雲大学へアポイントを入れた。そのあと緑川夫妻にこの事を伝えるのか迷っていた。
「・・どうしようかぁ・・・ぅん・・・・・・・・・・」
白根の困った様子に編集室全体が重い空気に包まれていた。
「デスクどうしたんです」
「青木・・・」
「お前こそ・・・」
「私は普段通りですよ」
「あぁそうか・・あっ緑川は?」
「あぁ〜流司?最近機嫌が悪いんですよ今も一人で取材に行くとか言って出て行きました」
「青木・・すまんな」
「デスクが謝る事ないじゃないですか」
「あぁそうか。そうだな・・・」
「それで何をそんなに悩んでるんですか」
「・・・・・・・・・・実は流司には話したんだが・・・・そろそろあっちにに行って取材をすることに決めたんだ」
「なるほどですね。それでいつからなんですか」
「まだいつって決めてはいないんだが、近々というところなんだ」
「じゃあ流司もその準備をしなくちゃいけないですね・・私も準備に入らなくちゃ・・前回行った時は必要なものがわからなかったけど今回はバッチリですから」
白根は緑川美月の話を静かに首を横に振って聴いていた。
「デスクどういうことですか」
「・・・・・いやおまえたち夫婦は向こうで十分取材をしたんだ。お陰で他社よりも詳しい情報やまだどこも掴んでいないことまで誌面に載せることができたんだよ」
「・・はい・ありがとうございますぅ・・」
「・・それでそろそろ違うやつを行かせようと思っているんだよ」
緑川美月は部屋中の人間が驚くような大声で反論した。
「なんでですか?なんで私たちを外さないといけないんですか?デスクもさっき私たちのおかげって言ったじゃないですか。それに赤土さんとの今後のスケジュールにしたって、私たちが居ないと赤土さん騙されたと思いますよ。それに・・」
「わかった。わかったよ!そんな大きな声で反論してくるなよ」
「じゃあ私たち夫婦で決まりってことでいいですよね。まだ向こうでやり残した取材もありますから」
「決まりって・・青木お前ねぇ本当にあっちに行って生活してもいいのか?こんな事言うと失礼だけどとても女性が数年もの間行くところじゃないとオレは考えてるんだよ。それにお前たち訳のわからない奴らから命を襲われてたんだろ」
「デスクはそんなふうに思ってるんですか?女性が男性がとかで取材先を決めるんですか?」
「いやそうじゃないけど・・」
「それに最初から危険だとわかってたところにか弱い女性の私をいかせてたんですか」
「わかったわかったよ。緑川夫妻に行ってもらうよ。・・・ほんとにいいんだな」
「はい大丈夫です」
「あぁでも緑川が青木を連れて行くと言ったらだからな」
「流司もわかってくれます」
「もおお前たち夫婦には困ったものだよ。・・・ふう・・」
「では流司に話してきますねフフフ」
「何がフフフだよ」
呆れ顔で白根は緑川夫妻のわがままとも情熱とも取れる思いに複雑な感覚を覚えた。
緑川美月はその場を離れると緑川流司に連絡を取り白根とのやりとりを話して直ぐに帰ってくるよう話をした。慌てた緑川流司はすぐに帰ってきて白根を捕まえた。
「どう言う事だよ?」
「何がだよ!」
「とぼけんなよな!お前美月に言うなよな!」
「いや」
「いやじゃないよ。オレだって考えてたんだからな」
「赤土さんから連絡があってその事を考えてた時ちょうど青木が来たから・・」
「お前美月のせいにするなよ」
「いやそうじゃなく・・・」
「・・・・白根ありがと・・・。お前だけだよ俺たちの事心配してくれるのは」
「いやオレの方こそお前たちの気持ちも考えずに・・・。でも本当に大丈夫なのか?もし。もしも何かありそうなときはすぐに逃げろよ!お前たちはすでに狙われているからな。わかったなっ」
「ありがとう!言う通りにする。約束する」
「わかった。ところで赤土さんから出雲大学に行ってみようって」
「何かあったのかな?」




