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注射  作者: 八味とうがらし
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注射 決意

「赤土さん私たちがこの後相談しようと思っていたのは・・・緑川夫妻が以前赴任していたところに一緒に行ってそこで生物増加システムで作物を甦らしていただけないかと思っていたところなんです」

「え白根さんの所って新聞以外にも多角的に事業をされているんですか」

「家我が社は新聞および出版物しか扱っておりません。後グループ企業があるにはあるんですが、私には直接関係ないんです」

「じゃあなぜ」

「それについてはオレが説明しますよ。オレはその土地を取材して何十年にもなるんですが土地の人の生活は酷くなるばかりなんです。オレと美月である集落の長のところに取材に行ったところ『この土地を荒れ果てさせたのはモンスター』だと。モンスターって俺たちのことなのかとずっと考えていたんです」

「流司。マフィドさんのことね。確かに赤土さんならできるよね」

「ただ赤土さん。一度行くと簡単には帰られないんです。なので先ほど失礼なことを言ってしまったんです」

「あのぉオレ・・・一人で行くんですか・・・」

「いや俺たち夫婦ももちろん行きますよ」

「赤土さんそれに今のところ今日明日行くってわけではないんで、そんなに心配しなくていいですよ」

「デスクまだ赤土さん行くって決めてないですよ」

「そうだった」

「・・・・」

「おっ、そろそろ大臣のところに出かけないとな」

緑川の気付きにつられ赤土耕太も緊張の面持ちとなっていた。

「今オレすごく緊張してるんですけど、皆さんは大臣との面会は慣れていますもんね」

「そんな事ないですよ。ねぇ流司」

「あぁまあねぇ」

「流司は誰に会っても緊張しないもんね・・・そう言えば初めて私との待ち合わせ5時間の遅刻だったよね」

「えぇ〜オレ遅刻なんてしてないよ。あの時確か2時間位の誤差だったはずなんだけどな」

「それを遅刻って言うのよ流司」

「美月あっちではそれは早くついたってことだろ」

「まぁ確かにそうだけど・・・。でもこっちでは大遅刻。そもそもこんなにか弱い女性を2時間も待たせるなんて、あの時は本当に終わったと思ったんだから」

「あのぉ〜お取込み中すみませんがおのろけは自宅でお願いできませんか。赤土さん大丈夫ですよ。大臣と言ってもあいつはそんなやつじゃないんで」

「・・・」

「大臣アポイントメントが入っている嫁入り新聞社様4名お越しです」

「応接で待ってもらって・・」

 白根達は秘書に促され大臣室の応接に通され大臣を待った。

「緑川お前何年ぶり?」

「オレ多分10年振りくらいかな」

「えっどう言うこと」

「やぁお待たせした」

「おぉ緑川」

「桜木ひっさし振りだなぁ」

「白根この間はありがとな」

 白根と緑川の両名を桜木大臣は緊張もなく受け入れていた。

「こちらの女性が・・・」

「あっ私嫁入り新聞社の緑川美月と申します」

「聞いてますよ。美月さん。緑川の奥さんなんだってね」

「はい。でもどうして・・・」

「桜木この人は赤土耕太さん。今は農業をされている。以前は出雲大学生物研究の教授だった人だ」

「赤土耕太です」

「ああーあの赤土さんね。厚生労働と食物増産管理の大臣の桜木です。食物増産管理は元来農水相なんだけど例の女性のお腹の子供が消えてしまう事件があっただろ・・。その動機だ人口増加を抑えるなんてことを言ってたやつて事で訳がわからないが兼務を仰せ使ってるよ」

秘書に席に着くよう勧められて一同は応接のソファーに腰を下ろした。

「あのぉ〜先に教えてほしんですが・・・」

「なんですか美月さん」

「どうしてうちのデスクや緑川をご存じなんでしょうか」

桜木大臣は白根と緑川流司を見た。

「お前たち何も言ってないのかぁ」

「まぁ言っても言わなくてもいずれわかることだし。なぁ緑川」

「そうそう。たまたま今日はこんな息苦しいところであっただけでさぁ」

「俺たち三人は昔っからの遊び友達って言うのか腐れ縁と言うのかもう何年十になるのかな。」

「高校からだよな。たしか」

「桜木。お前が橋からダイブして男を魅せるとか言って夏休みに付き合わされたんだよな」

「緑川。お前だってその後で一番高い木に登るとか言って付き合わされたんじゃないか」

「桜木も緑川も困った奴だったなぁほんとうに」

桜木と緑川は声を揃えて反論した。

「お前ほどじゃないぞ」

「あの白根さんはどんな事されたんですか」

「赤土さん聞いてやってよ。こいつなんか夏休みの間三人の女性に振られまくってさぁその都度俺たちは一晩中カラオケに付き合わされたんだ。でさぁ帰る頃になると白根は必ず宣言してたんだよ」

「そうそうしてたしてた」

「もうやめてくれよ」

「そうだな。そう言う事で美月さん俺たちはこんな感じで今までずうーっと来てるんですよ」

笑いながら旧交を深めた

「それで今日は・・まさか同窓会をしようって事じゃないだろ」

「桜木、オレはずっと海外で取材をしていたんだよな。それでここ最近は例のロケット騒ぎで有名になったところに滞在してたんだな」

「そこで美月さんを騙したと」

「もう勘弁してくれ」

「流司しょうがないよ事実だから」

「そこは知ってると思うが過去は世界有数の食物生産地だったんだな。でも今は荒れ果てた土埃舞うなんの魅力もないところになってしまってるんだな。地元民はこの間状況をモンスターの仕業と言ったんだよ」

「・・・・」

「で今回の胎児がいなくなる事件。結局は俺たちがかかわってるように思えて来たんだよ」

「まぁそこまで思い詰めなくても・・・」

「それで桜木お前の力で緑川のいた地域に緑を戻す力を貸して欲しいんだ」

「・・・」

「そうなんだよな。お前の力で援助を進めてほしいんだよな。それにこれは想像でしかないけどあそこに胎児が消えた謎の手がかりがあるんじゃないかと・・」

「なるほど。まあその話は個人的にはよくわかるが、ただ国を動かすとなると・・・」

「ここに今までまとめた資料があります。これには流司が取材した内容を含め我が国が今まで頼って来た状況分析も添付しています」

 緑川美月が桜木にファイルしたデータを手渡した。

「これは凄い量だな・・事務次官に目を通してもらうよ、その後でどうすればお前たちに寄り添えるか考えるよ」

「でも誰が行くんだよそんなところに」

誰もが赤土耕太を見た。

「えっ。まだ決めて・・」

「判断は委ねてますから、大丈夫です」

誰もが笑い合っていた。

「ところで桜木大臣。私は以前山吹大臣にアポイントを入れようとしてダメになったんです。そのあと私は緑川のいる所に行ったんですけどその間に山吹大臣から桜木大臣に交代されてたんですけど・・・」

「白根は知っているけど山吹さんはお金にだらしない所があったからなぁ。会議に出席している企業を金品で選択してたからな」

「桜木大臣もだよな」

「白根お前ねぇ」

「ははははは」

「美月この桜木ってやつはお金に興味がないやつなんだよ。それよりも海や川で遊ぶ事が好きなやつなんだよ」

「まあ一言で言うとまだまだお子ちゃまって事なんだよな」

「そう一生お子ちゃまなんだよこの桜木ってやつは」

「白根一生はないだろ」

「桜木褒めてたんだけどな」

「それで褒めたことには・・・・」

「素晴らしいですね。決めました」

突然赤土耕太が話に割って入った。

「どうしたんですぅ赤土さん。何を決めたんですか」

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