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リア充天才パンダとレオンの異世界日本化計画※毎日20時更新。そんなに全削除して欲しいですか?  作者: ヘタレパンダ


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済 第65話 魅了



精神と時の空間――宿舎の一室。


一日の修行が終わるとレオンと深雪は同じ部屋で休むことになっていた。


ミカエラの「睡眠中も魅了耐性の修行」という無茶な指示のせいだ。


深雪は神衣のままベッドに横たわり、天井を見つめていた。


「……なんか、今日は妙に落ち着かないな。リアとナルが居ないからかな?」


隣でレオンが静かに目を閉じている。


その横顔を見て、深雪は思わず息を止めた。


(なんか……昨日より、近い)


「深雪」


突然声をかけられて、深雪はびくりと肩を震わせた。


「な、なんだよ」


「少し、こっちを向いてくれるか」


レオンが体を起こし、深雪の方を向く。


薄暗い部屋の中で、その青い瞳が静かに自分を映していた。


「……お前、最近ちょっと変わったな」


「は?」


「前より、素直になった気がする」


深雪は顔が熱くなるのを感じた。


「な、何言ってんだよ。俺はいつも通りだろ」


「そうか?」


レオンが少しだけ近づく。


距離が縮まる。


深雪の心臓が、はっきりと音を立てた。


「お前……」


レオンの声が、いつもより少し低い。


「僕のことが、少しは気になってるんじゃないのか?」


「ば、バカ言え! 誰が……」


言いかけた言葉が、途中で消えた。


レオンの顔が近い。


吐息が届きそうな距離。


深雪は自分でも驚くほど、逃げたい気持ちより、このまま動かずにいたい気持ちの方が強くなっていることに気づいた。


(なんだよ、これ……)


(なんで、ドキドキしてんだよ俺……)


レオンの指が、深雪の頬に触れた。


「……少しだけ、いいだろ」


その瞬間、深雪の理性がふっと薄れた。


「……ああ」


小さく頷いた自分に、自分で驚いた。


二人の距離が、さらに縮まる。


唇が触れ合う直前――。


パシーン!!


乾いた大きな音が、部屋中に響き渡った。


「いっ!?」


「ぐっ……!」


二人同時に頭を押さえて飛び退く。


ドアのところに、黒魔法使いの一人が立っていた。


手には、DASASOで買ってきたハリセン。


「……ミカエラ様の指示です」


黒魔法使いは淡々と言った。


「レオン様だけでは有りません。ミカエラ様からは魅了されている者を、総てハリセンで叩くように指示されております」


「はあ!?」


深雪が目を丸くする。


「なんで俺まで!?」


「深雪殿も、明らかに魅了状態でしたので」


「え?」


深雪は一瞬固まった。


「俺……魅了されてたの? レオンに?」


自分の言葉の意味がわかった瞬間、深雪の顔が一気に真っ赤になった。


耳まで熱い。


「ち、違う! 俺はただ……その……!」


「いえ。表情、呼吸、魔力の揺らぎ、すべて典型的な魅了反応でした」


黒魔法使いは淡々と続ける。


「念のため、もう一度」


「待て待て待て!!」


深雪が慌てて両手を振るが、ハリセンは容赦なく振り下ろされた。


パシーン!!


「痛ってええええ!!」


隣でレオンも頭を押さえながら、小さく息を吐いた。


「……僕もか」


「はい。レオン様もです」


黒魔法使いは静かにハリセンを構え直す。


「ミカエラ様曰く、『二人とも魅了しあっている』とのことです」


深雪はベッドに崩れ落ち、顔を両手で覆った。


「……最悪だ」


「何がだ」


「俺が、お前にドキドキしてたのがバレたことだよ……!」


レオンは少し黙ったあと、小さく笑った。


「……そうか」


「笑うな!」


「笑っていない」


「笑ってるだろ!」


その様子を、ドアの外からポルガンが満足そうに眺めていた。


「ちゃんと効いてますね」


隣で真央がくすっと笑う。


「深雪、顔真っ赤だった」


「当然ですよ。自分で気づいてなかったんだから」


ポルガンはハリセンを持った黒魔法使いに軽く手を振った。


「引き続き、監視よろしく」


「は」


部屋の中では、まだ深雪の「違う! 俺はただの……!」という言い訳が続いていた。



精神と時の空間――宿舎の共同浴場。


深夜。


修行で疲れた体を癒すため、レオンと深雪は同じ時間帯に風呂へ入ることになっていた。


ミカエラの指示で「二人きりはまだ早い」と言われていたが、今日に限って監視役の黒魔法使いが別の用事で遅れていた。


広い湯船に、二人きり。


湯気が立ち込める中、深雪は壁に背を預けて目を閉じている。


「……なんか、静かすぎるな」


「そうだな」


レオンが隣に座る。


肩が、わずかに触れそうな距離。


深雪は思わず体を少し離したが、すぐにまた近づいてしまう自分に気づいて、内心で舌打ちした。


(なんで離れるんだよ俺……)


湯の音だけが響く。


しばらくして、レオンが静かに言った。


「深雪」


「ん?」


「さっきの部屋のこと、覚えてるか」


深雪の肩がびくりと動く。


「……忘れるわけないだろ」


「僕も、少し驚いた」


「何がだよ」


「お前が、僕に魅了されていたことだ」


深雪は湯船の中で膝を抱えるようにして、顔を横に向けた。


「勘違いだ。俺はただ、疲れてただけだ」


「本当に?」


レオンの声が、いつもより少し低い。


深雪は答えずに湯をすくい、自分の顔にかけた。


水滴が首筋を伝う。


その様子を、レオンはじっと見ていた。


「深雪」


「なんだよ」


「こっちを向け」


「……いやだ」


「頼む」


深雪はしばらく黙ったあと、仕方なく体の向きを変えた。


湯気の向こうで、レオンの青い瞳が自分を捉えている。


近い。


さっきの部屋よりも、ずっと近い。


「お前……」


レオンが手を伸ばし、深雪の頬に触れた。


濡れた指先が、熱を持っている。


深雪は息を飲んだ。


「やめろ……」


「嫌なら、押せばいい」


深雪の手が、レオンの胸に触れる。


押し返そうとしたのに、力が入らない。


むしろ、指先がレオンの肌を確かめるように動いてしまった。


「……くそ」


深雪が小さく呟く。


「なんで、こんなになってんだよ」


「僕もだ」


レオンが額を深雪の額に寄せる。


吐息が混じる。


「お前が神衣を着ているせいだけじゃない。僕も、お前のことを……」


言葉の続きは、届かなかった。


深雪が先に、わずかに顔を上げたからだ。


唇が触れ合う。


湯気の中で、静かな音がした。


最初は浅く。


すぐに、深く。


深雪の手がレオンの肩に回る。


レオンの手が、深雪の腰に回る。


湯が揺れ、小さな波紋が広がる。


どれくらい経ったか。


二人がゆっくりと離れたとき、深雪の目は少し潤んでいた。


「……バカ」


「ああ」


「こんなの、バレたら絶対にハリセンだぞ」


「知っている」


「なのに、なんで止めなかった」


「お前が、止めなかったから」


深雪は顔を赤くして、湯の中に沈みそうになる。


「……調子に乗るなよ」


「乗っていない」


「乗ってるだろ」


レオンが小さく笑う。


その笑みが、深雪の胸の奥をくすぐった。


「もう一回……」


深雪が小さく呟いた瞬間――。


「――お二人とも、かなり距離が近いようですが。」


ドアの向こうから、冷静な声がした。


二人同時に飛び退く。


湯が大きく揺れる。


黒魔法使いが、申し訳なさそうに(しかし確実に)ハリセンを持って立っていた。


「……監視が遅れてしまい、申し訳ありません」


「い、今のはただの……!」


深雪が慌てて言い訳しようとするが、黒魔法使いは淡々と続ける。


「ミカエラ様より、『もし二人が風呂で怪しい雰囲気になっていたら、即座にハリセンで叩け』との追加指示を受けております」


「追加指示ってなんだよ!」


「それでは」


黒魔法使いがハリセンを構える。


深雪は湯船の中で両手を合わせた。


「待ってくれ! 今のは俺が……!」


パシーン!!


乾いた音が、湯気の中に響き渡った。


「痛ってええええ!!」


「……僕もか」


「はい。レオン様もです」


二人は湯船の端で頭を押さえ、肩を寄せ合うようにして座っていた。


湯気の向こうで、深雪が小さく呟く。


「……次は、もっと早くバレないようにする」


「同意見だ」


「お前もかよ」


「ああ」


その会話を、ドアの外で聞いていたポルガンが、小さく息を吐いた。


「……やっぱり、二人とも甘いね」


隣で真央がクスクス笑っている。


「深雪、今度は自分から近づいてた」


「はい。ちゃんと見てました」


ポルガンは腕を組む。


「慣れる迄は、風呂も別々にさせないと駄目かもしれませんね」


深雪です。

どーしよう。

レオンの事が気になって仕方ないよ。

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